理美容ニュース

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変わる理美容業の業容

Posted on | 10月 14, 2024 | No Comments

理美容ラウンジ理美容室業界の業容がゆるやかに変わりつつあります。カット専門店やヘアカラー専門店のコアサービスを提供するサロンが増える一方、数人のスタッフを雇用する地域密着型の小規模個人店が減少しています。同時に店を所有しないフリーランス理美容師が増えています。

デフレ経済が30年ほど続き、理美容料金はこの間ほぼ横ばいで推移しました。料金が上昇しないのは理美容料金だけでなく、他の物価も同様でしすし、賃金も上がっていません。
物価が横ばい、賃金も横ばいなら、ある意味安定した状態が続いた30年間ともいえますが、理美容業の業容は緩やかに変化しています。
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背景には、30年間続いたデフレ経済で消費者に定着した節約志向、さらに美容家電などの進歩もあってセルフで済ます消費者が徐々に増えています。その結果、理美容室市場は緩やかな縮小を続け、コロナ禍後も続いています。

理美容室市場全体が縮小するなかで、伸長しているのがカット専門店やヘアカラー専門店などコアサービスを提供する業態店です。コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスに優れたコアサービス店は消費者の節約志向にマッチした業態といえます。
競合相手がいないブルーオーシャン市場といわれたときもありましたが、いまは競合店が増えサービス、料金を競い合っています。ヘアのおしゃれに敏感な消費者は別にしても身だしなみ程度で十分な消費者から選ばれる存在になっています。

ここ1、2年は円安もあって物価が上昇し政府のインフレ目標の2%に近づいています。とくに加工食品など食品はじめ生活必需品の値上がりが続いています。賃金も上昇しはじめましたが、実質賃金は物価上昇を上回るほどは上昇していません。

消費者は生活必需品の購入は避けられませんが、理美容サービスなど選択的支出については節約します。十分な賃金上昇が長く続けば、理美容サービスへの支出も好転するでしょうが、30年の長きにわたって消費者に染みついた節約志向はすぐには拭えそうにありません。

そしてここにきて、理美容室業界でも賃金アップが従業員の生活を守るためにも求められています。従業員の雇用を維持するためにも賃金アップは企業サロンにとって必須の課題となっています。賃金アップするには料金をアップするのが唯一といってもいいくらい理美容室業界は「人」が営業の基盤となっています。

消費者物価指数をみると、理美容料金はここにきて他の物価ほでではないにしろ上昇傾向になってきましたが、同時に倒産する企業サロンが増加しています。表出されるのは負債額1000万円以上の企業サロンですが、過去にないほどの多さです。

1000万円未満の倒産や、倒産はしなくとも事業縮小や整理、廃業も増えていると聞きます。料金アップ→賃金アップの好循環に移行するまえに料金アップ→失客、もしくは料金アップができずに人手不足になったのかと思われます。

経営が厳しいのは企業サロンだけでありません。数人のスタッフを雇用した小規模な個人企業の理美容室も同様です。ひとむかし前は小さくても「一国一城の主」になるのを目指して理美容業界に入ってきた人が大半でしたが、いまは人を雇用するのが難しい。社会保険などのハードルは個人店には高い。また労働時間の特例の見直しも行われています。理美容室業界だけが世間より劣悪な労働条件が許される時代ではなくなりつつあります。
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数人の従業員とともに店を切り盛りする地域密着型の理美容室は、地域にとってなくてはならい存在といえますが、その形態はオーナー個人店、もしくは家族従業員だけの小規模店へと移行しています。
さらに注目するのは店舗を保有せずに独立して働く個人事業の理美容師が増えていることです。フリーランス理美容師、事業委託理美容師です。

フリーランス理美容師が増えた背景には、シェアサロンの増加、SNSで効果的な集客ができるようになったことがあります。完全独立型の個人事業として集客から決済まで完了できます。またシェアサロンもいろいろな契約コースがあり自分の働きやすいコースを選べます。独立する前の準備段階としてシェアサロンを活用している理美容師も少なくないといいます。

また福祉施設などと契約して出張理美容を行うフリーランス理美容師もいます。シェアサロンを活用して仕事をするフリーランス理美容師が増えた背景には、ほかにも理由があります。開業しやすいのが特徴とされる理美容室ですが、開業するには数百万円はかかります。フリーランスなら開業資金の手当は必要ありません。

おしゃれ志向の強い顧客をターゲットにした企業サロンは若い理美容師に根強い人気がありますが、一般企業のように60歳や65歳の定年まで働くのは難しい。60歳や65歳の定年まで働けるビジネスモデルを構築した企業サロンは見当たりません。多くの理美容師は30歳前後で独立をせざるを得ない現状があります。
フリーランス理美容師は今後も増え続けるものと思われます。

いま国は働き方改革を進めています。前述のオーナー個人店は完全予約制にすれば、予約の入っていない時間に他業をすることもできるし、趣味など個人的に時間を使うこともできます。フリーランス理美容師も同様です。働き方改革の一つにダブルワーカーがありますが、完全予約制の個人店やフリーランス理美容師という働き方はダブルワークにも対応しやすい働き方といえます。

理美容業界、とくに美容業界は若者に人気の分野です。これからも時代に即した業容に変わりながら人気分野、人気職種であり続けるでしょう。

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タグ: 理美容ラウンジ, 理美容室, 理美容業の業容

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