融資担当者がみているのは創業計画書だけではない
Posted on | 5月 30, 2025 | No Comments
11、事業計画書で失敗しないために
前回まではテナント不動産を借りるときの注意点などをお伝えしてきました。
今回からは、日本政策金融公庫に提出が必要な創業計画書の書き方について、お伝えします。
日本政策金融公庫からは、理美容業で創業するときの、計画書の作成見本をあらかじめつくってくれています。
理美容業の記入見本
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei02_190507d.pdf
見本を真似して書けばいいだけとはいえ、これをみただけで、サクッと自分のお店のことにおきかえてすぐ書けるって方は、少ないです。
売り上げのところを根拠をもって書く必要があるからです。
結局のところ、「貸した金をちゃんと返してくれるのか」を審査するプロの側からみて、書かれた数字に信ぴょう性があるかどうかをみたいのが、この創業計画書です。
わたしたち書く側は、本当にこれぐらいちゃんと稼げますよ、理由もちゃんとあるんですよ、ということを、この小さなシートの中に納めなくてはならないのです。
これを書くのがいかにむずかしいか、わたしも身をもって分かっています。
お恥ずかしい話ですが、いまこうやって書くことで皆様のお手伝いする側ですけれども、でも自分自身の事業のために、金融機関に事業計画書を、作って提出するとき、やっぱりお金を借りたい、貸して欲しいっていう思いがとても強いので、なんかこう媚びるような気持ちになって、貸して、もらえなかったらどうしようっていう余計な心配をしました。
でも、あなたに考えて頂きたいのは、事業計画書を見るのは誰かっていうことです。
事業計画書を見るのは、金融機関の、ここの場合では、日本政策金融公庫の融資担当者です。
あなたは、神様の前に座らされるような気持ちになるかもしれないんですけれども、そんなことありません。彼らだって、仕事でやっています。彼らは、国のお金を、上司がいて、さらに上司がいて、さらに上司がいてっていう中で、担当者として、あなたの事業計画書を見ているだけなんです。
その担当者として何を見ているのかというと、「この人にお金を貸してちゃんと返ってくるのか」だけを見ています。
それは、どこを見れば分かるのかっていうと、3つのポイントがあります。
そこをみれば、思いつきで店を出そうとするひと、店さえ出せば売り上げ上がるんじゃないかと気軽に考えてお金貸してくださいって言いに来てるだけのひとかどうか、っていうのがわかります。
でも、あなたはそうではありませんよね。
これまで実績を積んで、実力もつけて、計画も立てて、そして、こうやって融資を依頼してきている人です。
だから、どう売り上げが上がるか、根拠をちゃんと持っています。
1、顧客単価や、サービス価格をみれば、このあたりはわかります。
2、売り上げの計算式をみれば、絶対自分はこれぐらいは売り上げが上がると自信を持っているひとかどうかも、わかります。
3、お金にだらしがない人か、そうでないきちんと計画通りに返済できる人かわかります
だから、次の回からお伝えするような、競合調査が必要、顧客ニーズの調査が必要、差別化とか、あなたの強みっていうものをきちっと表現する必要、収益を生み出す商品の詳細が必要、売り上げ根拠の詳細な計算式が必要、ということになるわけです。
ポイントの3つめは、この創業計画書を書くだけでは済まない点がちょっとくせものです。
過去3~5年ほどさかのぼって、創業資金のお金を準備してきた履歴を確認されます。通帳のコピーをもってこいといわれるのは、そのためです。
これらの情報をあなたの中から引き出して、そして、用紙に落とすのが、創業計画書ということになります。
次回は、事業計画書に書くときの競合調査は絶対してくださいね、ということについておおくりします。
心配しないで、ポイント3つは、この後の回で順にふれていきますので、お楽しみに。
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タグ: 創業計画書, 和田美香, 美容院開業ステップ・バイ・ステップ