「家計調査」 2000年~
Posted on | 9月 8, 2023 | No Comments
「家計調査」(「二人以上の世帯」)で、理髪料、パーマネント代、カット代の2000年から2022年までの推移をみる。
2000年に比べ、支出金額はカット代は6.3%増えたが、理髪料は39.3%、パーマネント代は73.8%減少した。
同じく、利用回数は理髪料29.3%、パーマネント代76.7%減少した。カット代は8.6%増えた。
支出金額と利用回数から算出した1回当たりの支出金額は、
理髪料は3128円から2676円(-14.4%)
パーマネント代は7778円から8764円(同+12.7%)
カット代は3175円から3108円(-2.1%)
になる。
「家計調査」のデータをみて、22年間で理髪料は減少、パーマネント代は大きく減少、カット代は微増した、と判断するのは早計である。
というのは、この間、世帯人員は減少しているから、当然1世帯当たりの支出金額は減り、利用回数も減る。逆に世帯数は増えている。国勢調査で2000年と2020年をくらべると世帯人員は2.67人から2.21人に17.3%減少している。一方で世帯数(一般世帯)は19.1%増えている。
また、「家計調査」のデータをみて、理美容室の市場規模を判断することもできない。いまではパーマネントに代わってメインメニューとなったヘアカラーや、そのほか理髪料、パーマネント代、カット代以外のメニューが計算されていないからだ。
「家計調査」は理美容業の業績判断、市場規模の判断をする上で重要な指標の一つになるが、これだけでは適格な判断はできない。
「家計調査」でわかるのは、1回当たりの支出金額から消費者の根強い低価格志向がうかがえる一方で、パーマネント代の支払金額が上昇しているのは、このサービスの需要が減少し、必需品的なサービスから嗜好品的なサービスへと移行しているためといえる。
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