ククイナッツオイルがまつ毛育毛に新効果 成分メカニズムを解明
Posted on | 7月 4, 2025 | No Comments
株式会社マンダムは2025年7月3日、自然由来成分「ククイナッツオイル」が日本人女性のまつ毛の伸長を促進するメカニズムを解明したと発表した。
本研究は大阪大学大学院薬学研究科、アイルランガ大学との共同で行われたもので、ククイナッツオイルが毛髪成長因子「PGF2α」の分泌を促進する作用を持つことが明らかになった。
ククイナッツオイルは、東南アジアで古くから髪や皮膚のケアに用いられてきた植物油だが、その育毛効果の詳細な仕組みは未解明だった。今回の研究では、日本人女性15名を対象に同成分を配合したまつ毛用製品を使用してもらい、実際にまつ毛が伸長する効果を確認。色素沈着などの副作用も見られなかった。
その作用メカニズムとしては、ククイナッツオイルがAKR1Cファミリーに属する酵素(AKR1C1、AKR1C2、AKR1C3)の発現を高め、それにより毛髪成長を促すPGF2αの分泌が促進されることが分かった。この反応は、まつ毛の成長を促す緑内障治療薬ビマトプロストと同程度の育毛効果を示すことも実験で確認された。
まつ毛は目の保護機能を担うと同時に、審美的価値の高い部位でもある。特に女性にとって、長く健康的なまつ毛は自己肯定感や満足感、さらには生活の質(QOL)を高める要素となる。本研究の成果は、まつ毛貧毛症や脱毛症に悩む人々への新たなケア手段となる可能性を持ち、将来的には治療・予防の領域にも応用が期待される。
ククイナッツオイルはジャムウ(インドネシア伝統医療)にも用いられる成分で、肌や髪に優しいナチュラル成分としての信頼性も高い。今後、より多くのデータ収集と臨床的検証が進めば、まつ毛ケアにとどまらず、育毛市場全体に革新をもたらす可能性がある。
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