理美容産業は小規模で労働集約型だが高付加価値
Posted on | 3月 15, 2021 | No Comments
2019年経済構造実態調査より
理美容業界は小規模零細事業者が多い。企業を対象に経済活動を調査した「2019年経済構造実態調査」では、小規模零細ながら、原価が少なく効率よく利益を上げている理美容産業が改めて浮き彫りにされた。
調査対象は、「売上高が一定規模以上の全ての企業」となっているが、調査に回答した企業は、理容業3155企業、美容業1万4066企業で、業界全体の施設数比で、理容業2.7%、美容業5.6%になる。
調査対象のすべての企業が回答したわけではないが、調査対象にならない個人事業主が業界の大半を占める。
1企業当りの売上高は、全産業の平均は11億4千万円なのに対し、理容業6200万円、美容業6700万円。産業全体の平均を100とすると、理容業は5,美容業は6でしかない。企業規模の差による影響が大きいが、生産性の低さも反映した結果といえる。
1企業当りの給与総額をみると、全産業平均は10億7千万円なのに対し、理容業5600万円、美容業6100万円になる。売上高に占める給与総額の割合は全産業の平均は11%なのに対し、理容業45%、美容業38%と多い。理容業、美容業は、人件費の割合が多く、典型的な労働集約産業といえる。
1企業当りの付加価値額をみると、全産業平均は2億0400万円なのに対し、理容業3500万円、美容業3200万円。売上高に占める割合は全産業の平均は18%、理容業は56%、美容業48%になる。付加価値額は利益と理解することもできるが、理容業美容業は規模は小さいながら付加価値額比率は高く、効率よく利益をあげているともいえる。
理美容業は、原材料費にかける費用は少なく、技術サービスを提供する生活関連サービス産業で、技術と才覚があれば効率よく利益を得られる産業ともいえる。そのあたりに、理美容業、とくに美容業の人気の一因がありそうだ。
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