2025年理美容支出で読む理美容消費 伸びる「他の理美容代」と縮むパーマ需要
Posted on | 2月 7, 2026 | No Comments
総務省は2026年2月6日、2025年「家計調査」を発表した。「二人以上の世帯」における年間消費金額(名目)は、理髪料が5,111円(前年比+4.2%)、パーマネント代が2,231円(同▲8.2%)、カット代が7,133円(同+2.0%)、他の理美容代が2万5,613円(同+6.0%)となり、他の理美容代の伸びが際立った。
家計調査を読む際には、「二人以上の世帯」における1世帯当たり構成員数の減少を考慮する必要がある。国勢調査によれば、2015年は3.03人だったが、2020年には2.95人に減少し、速報値では2025年は2.8人台となっている。なお、世帯数自体は2010年をピークに減少傾向にある。
また、本稿は名目値を用いているが、2025年の消費支出全体の前年比が名目では2.1%増であるのに対し、実質では0.9%増にとどまっている点も踏まえる必要がある。
1世帯当たりの消費金額
| 項目 | 金額 | 前年比 | 2015年比 |
|---|---|---|---|
| 理髪料 | 5,111 | 4.2 | -1.8 |
| パーマネント代 | 2,231 | -8.2 | -50.4 |
| カット代 | 7,133 | 2.0 | 16.6 |
| 他の理美容代 | 25,613 | 6.0 | 37.9 |
| 理美容用品 | 63,344 | 3.0 | 24.5 |
■理髪料
理髪料の年間消費額は、2022年から2024年まで3年連続で4,000円台にとどまっていたが、2025年に4年ぶりに5,000円台を回復し、ようやくコロナ禍前の水準に戻った。
ただし、長期的には縮小傾向が続いている。2000年は8,069円、2010年は5,546円であり、世帯構成員数の減少を考慮しても市場規模は縮小しているといえる。
年間利用回数から算出した1回当たり支払金額は2,860円で、前年比+2.4%、2015年比+9.4%と上昇基調だ。2016年から2019年までは2,500円台で推移していたが、その後上昇し、2024年には2,700円台後半まで伸びていた。もっとも、2000年には3,128円とすでに3,000円を超えており、価格水準としてはなお回復途上にある。
■パーマネント代
パーマネント代の消費額は四半世紀以上にわたり減少傾向が続いており、2025年も前年比▲8.2%と大幅に落ち込んだ。2015年比ではほぼ半減している。
最大の要因は利用回数の減少である。2000年は年間1.22回だったが、2015年は0.545回、2020年は0.335回、2022年以降は0.2回台に低下し、2025年は0.231回まで落ち込んだ。一方で、1回当たり支払金額は上昇を続け、2015年の8,000円台から2023年には9,000円台に達している。
消費額は縮小しているものの、パーマネントは依然として理美容室の主要メニューの一つである。需要回復には、革新的な技術や用剤の開発が鍵を握るといえそうだ。
■カット代
カット代の年間消費額は初めて7,000円台に乗せた。10年以上にわたり6,000円台で推移してきたが、コロナ禍後の2021年以降、緩やかながら増加基調が続いている。
一方、1回当たり支払金額は低迷し、5年ぶりに3,000円を下回った。消費額増加の主因は利用回数の増加であり、2025年の年間利用回数2.410回は過去最多となった。
調査結果からは、消費者がより安価な料金を選択している様子がうかがえる。裏を返せば、低価格帯サービスを提供するサロンが利用機会を拡大し、業界の需要を下支えしているともいえる。
1回当たりの支払金額
| 項目 | 金額 | 前年比 | 2015年比 |
|---|---|---|---|
| 理髪料 | 2,860 | 2.4 | 9.4 |
| パーマネント代 | 9,658 | 2.5 | 17.0 |
| カット代 | 3,183 | 0.5 | 8.3 |
■他の理美容代
他の理美容代には、エステ、ネイル、着付け、アイビューティなど幅広い美容サービスが含まれ、ヘアカラーなど理美容室のメニューも対象となる。
この分野は前年比+6.0%、2015年比+24.5%と著しい伸びを示している。2010年には理髪料・パーマネント代・カット代の合計を下回っていたが、2015年に逆転し、その後は差を広げ続けている。
「21世紀は美容の時代」といわれることがあるが、実態としては「他の理美容の時代」と呼ぶ方が適切だろう。これらには理美容室メニューも含まれているため、主要3項目が低迷していても、業界全体が停滞しているとは一概にはいえない。

■理美容用品
市販の理美容用品の消費も堅調に伸びている。頭髪用品や化粧品に加え、美容家電など多様な商品が含まれ、とりわけ美容家電の好調ぶりが目立つ。
パーマネント需要の低迷には、性能が向上した美容家電や用剤の普及が影響しているとの見方もある。各メーカーによる商品開発と販売戦略が、消費者ニーズを的確に捉えているといえそうだ。
【関連情報】
家計調査で見る都市別理美容支出ランキング
https://ribiyo-news.jp/?p=49300
都市別「1回当たり支払金額」ランキング
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タグ: 他の理美容代, 家計調査年次, 理美容用品
























