NMNが毛髪に与える影響を初検証 三菱商事ライフサイエンスが臨床試験結果を発表
Posted on | 7月 5, 2025 | No Comments
母乳や枝豆、ブロッコリーなどの野菜類にも多く含まれているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)はエイジングケア分野で注目されているが、毛髪にもよい可能性があることがわかった。
三菱商事ライフサイエンス株式会社は、2025年6月14日に開催された第25回日本抗加齢医学会総会のランチョンセミナーにおいて、NMNの毛髪への影響に関するヒト臨床試験の成果を発表した。この研究は、同社とクリニックF、早稲田大学の3者による共同研究として実施されたもの。
本研究の背景には、超高齢社会におけるQOL向上と「若々しさ」への関心の高まりがある。NMNは、加齢やストレスにより低下するNAD⁺を補う化合物としてエイジングケア分野で注目されているが、これまで毛髪に関するヒト臨床研究は存在していなかった。
研究では、40~50代の日本人女性15名を対象に、1日500mgのNMNを12週間摂取してもらうオープン試験を実施。毛幹径の変化や毛髪成分の変動を評価したところ、摂取後に毛髪の直径が有意に増加(p<0.01)し、伸長や外観にも明確な変化が見られた。VASアンケートでも、毛髪の質感においてポジティブな体感が得られた。
また、毛髪中のアミノ酸類や代謝関連成分の含有量も増加し、NMNの摂取が健やかな毛髪の成長をサポートする可能性が示された。今後、同社は共同研究先とともに論文掲載を進めるとともに、美容分野でのさらなる検証を行い、QOL向上に資する研究開発を進めていく方針だ。
なお、この研究は基礎研究であり、NMNを含有する製品の効能効果を示すものではない、としている。
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