理美容業界の求人賃金 厚労省データから見る相場
Posted on | 3月 14, 2026 | No Comments
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スタッフを雇用している美容サロンにとって、求人は営業を支える重要な事業活動です。募集の際、競合サロンと比べて賃金が低く設定されていると、応募者から敬遠されてしまう恐れがあります。募集時の賃金には一定の相場があり、その相場を把握することが重要になります。
美容サロンの求人賃金 相場を知ることが採用の第一歩
厚生労働省では、ハローワークに寄せられた求人情報の賃金データをもとに、「同一労働同一賃金」の観点から、職種ごとの目安となる基準値を公表しています。
この指標は「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)」と呼ばれるもので、基本給と賞与を含めた年収を労働時間で割り、時給に換算した数値として示されています。

昨年秋に公表された基準値は次の通りです。
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理容師 1476円
美容師 1315円
理美容補助者 1142円
エステティシャン 1212円
ネイリスト 1172円
その他の美容サービス 1215円
全職業の平均は1289円となっています。
意外に思われるかもしれませんが、この統計では理容師の数値が比較的高くなっています。
ただし、この基準値はあくまで平均的な目安です。実際の賃金は地域や経験年数によって変動します。厚生労働省では都道府県別、さらにハローワーク単位で地域差を示しているほか、経験年数別の係数も提示しています。
地域差の例として、全国基準を100とした場合、最も高い東京都は111.4、最も低い青森県は85.4です。都市部が高く、地方が低い傾向は最低賃金と同様です。また経験年数についても、1年、2年、3年、5年、10年、20年と年数を重ねるほど基準値は高くなる仕組みになっています。
賃金構造基本統計調査との違い
厚生労働省は、ハローワークの求人情報とは別に、「賃金構造基本統計調査」をもとにした基準値も公表しています。
最新の数値は次の通りです。
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理容師・美容師 1048円
美容サービス業+浴場従業者(理容師・美容師を除く) 1075円
全産業平均 1442円
この統計では職種区分が異なり、理容師と美容師は個別ではなく一つの区分として扱われています。またエステティシャンやネイリストなどは、浴場従業者などと同じ分類に含まれています。
算出方法自体は基本的に同じですが、基準値には大きな差があります。最大の理由は、ハローワークの数値が「求人時に提示される賃金」であるのに対し、賃金構造基本統計調査は「実際に支払われている賃金」を集計している点です。そのため、後者の数値は実態に近い参考値として扱われることが多いようです。
民間求人データも重要な参考材料
公的統計のほかにも、民間の求人企業や業界団体が公表している募集賃金のデータがあります。業界に特化した求人サイトも多く、美容サロン業界に特化したサービスも存在します。
これらのデータは都市部の情報が中心になる傾向がありますが、掲載された求人情報を集計した「生の市場データ」に近い点で参考になります。特に業界特化型の求人サービスが示す賃金水準は、実際の採用市場を反映しているケースが多いと考えられます。
求人賃金と既存スタッフのバランス
人手不足が続く美容サロン業界では、募集時の賃金を高めに設定しなければ応募が集まりにくい傾向があります。これは美容業界に限らず、多くの業種で共通する状況です。
ただし注意したいのは、既存スタッフとの賃金バランスです。実際の賃金を集計した賃金構造基本統計調査を見ると、理容師・美容師の賃金水準は決して高いとはいえません。
新規採用のために提示賃金を上げすぎると、既存スタッフとの不均衡が生じる可能性があります。求人が成功しても、既存スタッフの離職を招いてしまっては意味がありません。採用戦略と社内の賃金体系のバランスを考えることが重要です。
最近の求人動向
もう一つ気になるのは、最近の求人掲載件数がやや低調に見えることです。正確な件数データは公表されていませんが、募集賃金の動きから推測すると、求人件数が減少している可能性があります。
人手が充足しているのであれば問題はありません。しかし、現実には新たに人を雇用するだけの原資を確保することが難しくなっている企業サロンが増えている可能性も考えられます。求人賃金の動向は、サロン経営の状況を映す指標の一つといえるでしょう。
タグ: ハローワーク, 求人給与額, 理美容ラウンジ

























