中流層の復活に期待
Posted on | 2月 9, 2016 | No Comments
オーバーストアが常態化している美容業界は、いまだに不況が続いているが、アベノミクスの新成長戦略「一億総活躍社会」が実現されれば、安部首相が就任して以来、いい続けている中流層が復活し、美容業界の景気回復が期待できる。
美容サロンの繁栄は新成長戦略の実現にかかっているともいえる。
その安部首相は今年も大手企業に賃金アップを働きかけている。
昨年は、首相の要請に応えて大手企業社員の給与が上昇し、大手企業の賃金を基準にしている公務員の給与もアップした。全体の平均賃金がわずかに上昇し、一見よさそうにみえるが、ここに大きな問題がある。
公務員の給与は税金だ。財政再建が国家の一大テーマとなっているこの国で、公務員の賃金アップはいかがなものだろう? 疑問に思うのは私だけではないはずだ。
大手企業の社員、公務員らはすでに中流層である。彼らの賃金を上げても、中流層が増えるわけではない。業種によっては、社員の賃金アップにともない下請けにしわ寄せする例もあり、これではさらに二極分化がすすんでしまう。
全体で350兆円もの資産を保有している大手企業に対し、下請けからの仕入れ価格を増やすよう働きかけるのが、安部首相の役目だと思う。下請けといっても国内で生産している事業者が対象であるのはいうまでもない。
下請け企業が潤ってくれば、そこで働く社員も賃金上昇の恩恵に預かれる。
アベノミクス以降も、中小零細企業で働く社員の賃金は横バイだが、労働者の多くを占める中小企業の従業員の給与が上昇すれば、分厚い中流層の復活に間違いなく一歩近づく。
また国内の下請け企業が潤ってくれば、海外に転出していった企業を呼び戻すことができ、国内に再び強力なサプライ・チェーンが復活する。生産拠点が増えれば当然雇用も増える。賃金も上昇する。これこそ技術立国・日本のあるべき姿といえる。日本で生産した製品は高くなるかもしれないが、日本ブランドの評価は高い。値段は高くても価値があれば多くの人から選ばれる。
こうなれば分厚い中流層が復活し、一億総活躍社会が実現する。
【小山秀男氏のホームページ】
http://www.koyama-lab.com/
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