化粧品によるアレルギー被害にご注意を
Posted on | 2月 3, 2011 | No Comments
理美容師さんはじめエステティック、ネイルなど美容産業に携わる方は化粧品を扱う機会が多いですが、最近化粧品によるアレルギー被害が増えていて、国民生活センターでは注意を呼びかけています。化粧品に含まれていた加水分解コムギ(小麦成分)による相談事例です。
【相談】
医薬部外品の化粧品を使用したところ、顔が赤く腫れ、ひりひりした痛みとともに激しいかゆみが生じました。メーカーに問合せると、小麦とカニの成分が使用されていることが分かりました。確かに、小麦とカニに対する食物アレルギーはありますが、化粧品と食物アレルギーとのかかわりを意識したことはなかったので、非常に驚きました。摂食しなくても発症するのであれば、食品以外でもアレルギー表示を義務付けるべきではないでしょうか?(奈良市、40歳代 女性)
【回答/奈良県消費生活センター中南和相談所】
せっけんやシャンプーのほか、化粧水、毛染め剤などの化粧品や医薬部外品の中には、保湿や泡立ちを良くするために小麦の成分を使用している物があります。
最近、小麦の成分(加水分解コムギ末)を含む製品を使用した人で、使用後に顔のかゆみなどが現れたり、小麦を含む食品を摂取した後の運動時に顔や手の腫れ(運動誘発アレルギー)、血圧低下や意識消失(アナフィラキシー反応)などの全身性アレルギーを発症した事例が、医療機関より報告されました。
発症者はもともとアレルギーがあった人ばかりではありませんでした。使用者が気付かないまま、製品に含まれる小麦の成分(加水分解コムギ末)に触れることでアレルギーを起こしやすくなり、発症したことが否定できませんでした。
これを受けて、厚生労働省は平成22年10月15日付で、小麦の成分(加水分解コムギ末)を含む化粧品や医薬部外品の製品を製造販売している業者に対し、使用者への注意喚起、運動誘発アレルギーに関する副作用報告の徹底などについて通知しました。
それによると、製造業者は製品に小麦の成分が含まれていることなどを、容器または外箱などに表示する必要があります。さらに、全身性アレルギーを発症したとの報告がある場合は、販売時に情報の掲示をするだけではなく、既に購入した人に対しても説明文書の送付をするなど、注意喚起に努めなければなりません。
化粧品や医薬部外品などの使用中や使用後に、まぶたの腫れ、息苦しさ、じんましん、しっしん、顔や体のはれ、赤み、腹痛などの異常を感じたときには、直ちに製品の使用を中止し、医療機関へご相談ください。
(国民生活センターが2010年12月発表)
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