皮膚SS結合の加齢による減少がシワの一因
Posted on | 7月 15, 2023 | No Comments
老人性のシワは、「皮膚のSS結合が減ると皮膚が変形後、元に戻りにくくなる」「加齢によって角層のSS結合量が減少する」ことが一因かもしれない。
ポーラ化成工業(ポーラ・オルビスグループ)は、皮膚の角層と皮膚の変形の関係性に着目して研究した結果を2023年7月14日発表した。
角層細胞はコーニファイドエンベロープ(CE)と呼ばれるタンパク質でできた膜に包まれているが、この膜にはチオール基(SH基)をもつシステインがあり、システインの2つのチオール基が化学反応して、SS結合(シスチン結合)が作られた状態で存在している。このSS結合がCE内のタンパク質とタンパク質の間を『架け橋』のようにつないでタンパク質の立体構造の形成を助け、補強しているといわれる。
研究は、SS結合は皮膚の変形後の戻りにも影響を及ぼすのではないかと仮説を立て、皮膚組織に線状の凹みを人為的に作製し検証した結果、SS結合の少ない皮膚では凹みが元の状態に戻りにくいことが明らかとなった。
また、20~60代の女性の頬部角層を採取し、SS結合量を調査した結果、角層のSS結合量は、加齢に伴い減少していることが明らかとなった。
研究では、さらにSS結合を形成する酵素を増やすエキスとして、バクモンドウエキスに酵素の遺伝子発現量から有効性があることが明らかになった、としている。
なお、この知見は、2023年8月19,20日に開催される第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会で発表する予定。
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