理美容店などの生前継承を検討
Posted on | 11月 3, 2018 | No Comments
規制改革会議 第2回行政手続部会
理美容業などの個人事業の事業継承にかかわる行政手続きの簡素化が、2018年10月22日開かれた内閣府・規制改革会議の第2回行政手続部会で検討され、手続きを定めた法律の改正が行われる可能性がでてきた。
事業継承は、事業者が死亡した場合は簡略な手続きで済むが、生前に継承する場合は煩雑な手続きが必要。新規の許認可なく事業が引き継げるようにすることで、後継難による廃業を防ぎ、政府が掲げる「地域経済の活性化」を図る狙いがある。
経営者の平均年齢が65歳を超え、個人営業が多い理美容業は生前に事業継承することで廃業を防げる可能性がある。
現行の美容師法、理容師法では、相続承継の規定はあるが、生前継承の規定はなく、このため、現行手続きは
先代死亡時に相続する場合
・理・美容所相続承継届
・戸籍謄本
・相続人全員の同意書、
で済む。
しかし、生前に事業を継承する場合は
・理・美容所開設届
・施設内の平面図
・建物の施設の位置図
・施設の付近見取図
・全員分の理・美容師の免許証
・理・美容師が2人以上いる施設は管理理・美容師の講習会修了証
・従業員が結核ではない旨を証明する書類
・開設手数料
・施設の確認検査
と新規開業と同等の手続きが必要になっている。
事業継承は現行法では相続権者を前提にしているが、行政手続部会では孫や兄弟をはじめ、さらに親族外の第三者への生前継承も検討されており、個人事業の事業継承が大きく変わる可能性がある。
なお、事業継承の簡素化の要望については、全国商工会連合会、日本商工会議所から要望があったもので、今年6月開かれた行政手続部会でそれぞれの団体が要望について説明した。
また日本商工会議所は同様の要望を昨年、規制改革ホットラインを通じて要望したが、厚生労働省は「不可」の回答をしている。
全国の個人事業主のうち、美容業が7%、理容業は5%を占める(規制改革会議 第2回行政手続部会資料より。出典は平成28年経済センサス・活動調査)
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