顔と体で皮膚の弾力が違う理由は、HOXA9遺伝子にあった
Posted on | 6月 18, 2025 | No Comments
「顔の皮膚は薄い」という実感を裏付ける新たな科学的根拠が明らかになった。日本メナード化粧品株式会社は、藤田医科大学医学部と共同で顔と身体の皮膚の弾力の違いに関する研究を行い、その要因の一つが「HOXA9遺伝子」であることを発見したと発表した。
皮膚は部位ごとに構造や厚さ、弾力性に違いがあるが、そのメカニズムは長らく不明だった。本研究では、顔、腹部、臀部、大腿部の皮膚組織を比較し、部位ごとの遺伝子発現の違いを解析。その結果、HOXA9遺伝子が体幹部や四肢で特異的に多く発現していることが判明した。
さらに、HOXA9はコラーゲンやエラスチンの産生を促進し、真皮線維芽細胞の増殖を促す作用があることも実験で明らかとなった。HOXA9の働きを抑制した細胞では、これらの産生能が大きく低下することから、皮膚弾力の維持に重要な役割を果たしていると考えられる。
顔よりも腹部や臀部などの皮膚に弾力があるのは、HOXA9遺伝子の発現量に起因する可能性が高いと研究チームは結論づけた。今回の成果は、皮膚の弾力性に関する基礎研究の進展に寄与するだけでなく、エイジングケアやスキンケア製品開発の科学的裏付けとして活用される見通しだ。
なお、研究成果は国際学術誌「Journal of Investigative Dermatology」に掲載されている。
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