美容産業を計量経済学で解析
Posted on | 4月 5, 2017 | No Comments
独立行政法人経済産業研究所
再来店確率とサービス購入額の両方にプラスに寄与するのは、美容師の技術に基づくロイヤルティ、美容院の商品品質に対するロイヤルティ、美容師のスキルだった、とする研究結果が2017年3月発表された。
独立行政法人経済産業研究所の産業・企業生産性向上プログラム(第四期:2016〜2019年度)で行われた「美容産業における技術、質、環境要因が顧客行動に与える影響について」による。研究したのは、計量経済学が専門の小西葉子同研究所上席研究員。
理美容業における顧客の購買行動、再来店行動の学術的研究は、技術や店舗環境、接客などの要素を数値化するのが難しく、正確な結果を導き出すのは困難とされてきたが、同研究では「マーケティング分野の視点を活用し、技術的品質と機能的品質という概念を導入」して数値化し計測した、という。
説明変数、被説明変数から推定式を複数導き、計量経済学的に解析したのが、冒頭の結果になる。ただし「サービス提供時間中に顧客と接点の多い美容業において、技術・スキル以外の要因も来店行動や購買行動に影響を与えることが観察された」とも指摘しており、結局のところは確定的な結論を出すのは難しそうだが、このテーマの学術的なアプローチは、将来の理美容業にとって必要なものといえる。
論文(英文)は下記
On the Role of Skill, Quality, and Environmental Factors on Customer Behavior of the Beauty Industry
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/17e035.pdf
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