美容師免許取得者の2割が未就業 流動化する美容労働市場
Posted on | 6月 13, 2025 | No Comments
「美容サロン就業実態調査2025」によると、美容師免許を取得した人のうち、美容師として一度も働いたことがない人は21.4%にのぼります。
つまり、美容師免許を取得した人の5人に1人が、美容室で働いた経験のない未就業者であるということです。同調査によれば、未就業者の割合は年々増加傾向にあるとされています。
未就業者の中には、はじめから美容師として働く意思がなかった人も一部に存在します。たとえば、「短大で英米文学を学ぶよりも、美容の知識を身につけたほうが将来の選択肢が広がる」と考える女子学生は、平成の時代から一定数いたようです。しかし、こうしたケースはあくまで少数にとどまります。
多くの未就業者は、専門学校在学中の2年間で、美容室における給与水準や待遇などの労働環境を知り、就職を避けるようになったのではないかと考えられます。また、美容師として生涯働き続けるイメージを描けなかったり、「美容師では自分の夢をかなえられない」と早い段階であきらめてしまうケースもあるのかもしれません。
美容師という職業は、おしゃれで華やか、そしてかっこいいというイメージが強く、いつの時代も若者から高い人気があります。実際に、専門学校の中でも人気分野のひとつであり、18歳人口が減少する中においても、介護分野に次いで多くの入学者を集めています。しかし、それだけ注目されているにもかかわらず、せっかく取得した美容師免許を活かさず、2割以上が未就業という現状は、業界にとって深刻な課題です。
現在、労働市場はかつてないほど流動化が進んでいます。美容サロン業界も例外ではありません。美容師免許を持っているからといって、美容室に就職する必要はないという考え方もあるでしょう。しかし、それでも未就業者が2割を超えるという状況は、美容サロン業界の受け入れ体制や職場環境に何らかの問題があることを示唆しているといえるでしょう。
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