コツコツがキーワード 貯金も仕事も信用も
Posted on | 12月 13, 2025 | No Comments
17、融資の審査に落ちました
前回までは理美容室の料金設定についてのお話しでした。
ここからは、開業資金を日本政策金融公庫に融資依頼をするための申請についてです。
今回は、「融資の審査に落ちた方」のお話しをします。
「公庫で融資の審査に落ちました。私はもうお店を持つことができないんでしょうか?」

そんなご相談もあります。
そういう方のお話を複数の方からお聞きして、情報収集していって分かったことがあります。
公庫の融資審査に落ちる理由は、つぎの三つのうちのどれかにあてはまっていたからです。
一つ目。
クレジットカードの支払いを以前せずに踏み倒してしまって、ブラックリストに載っていませんでしょうか。
たかだかクレジットカードの支払いって思わないでください。
とても大事なことなんです。これって、人のお金を借りて返さないというのと一緒ととらえられます。
二つ目。
経歴が足りない。
日本政策金融公庫の書類の中、あるいはウェブ上で、審査に書類を提出する上で必要な経歴年数があるとは書かれていません。
しかしながら、経歴が足りない状態では、融資の審査は通らない場合が多いです。
これは後でもお話ししますが、融資の審査に経歴が必要な理由というのは、実はちゃんとあるのです。
三つ目。
自己資金が不足している、もしくは、自己資金がまったく足りない。
貯金が100万もないんですとか、200万もないんです、というご相談者様がたまにいらっしゃいます。
公庫の審査官も、なんで今まで貯めてこなかったのって、ここを見ています。
自己資金の額については、「公庫の融資の審査に落ちない自己資金の額」という質問をよく受けます。
なので、自己資金額についてもお話ししておきましょう。
以前は、明確に公庫で借りる開業費用の1/3の自己資金があれば望ましい、という風なラインが見えていました。
この数字は、どこか書類上やWeb上に書かれていたというわけではないんですけれども、私どものご相談者様とお話しして、そしてその結果を見ている限りは、この境界線は、割と明確に、少し前まではありました。
例えば、1/3はどういうふうに計算するのかというと、つぎのとおりです。
たとえば、あなたが600万円借りたいとします。
そのために、あなたは200万円用意したとします。
この200万円は、開業に必要な資金の総額600万円の1/3に相当します。
自分で3分の1も準備したのなら、では残りは貸しましょう、
という風になる計算です。
でも、いまこのルールが薄れてきていて、600万円の開業資金総額が必要ですと申請したうち、200万円を貯めていたことを見せたとしても、さらに、その200万円の数字をどうやって作ったのかというところも見られるようになってきています。
コツコツ貯めてきたお金か。
もしくは、親に助けてもらったお金か。
通帳を見れば、一目瞭然なわけです。
なぜ、コツコツ貯めてきているかどうかを見るのか?
それは、コツコツ貯めてきている人は、きっとコツコツ返してくれるだろうという考え方に基づいているわけです。
つまり、「この人はコツコツと計画的にちゃんと返済できる人かどうか」を見られているのです。
毎月コツコツ貯めているという実績を、通帳で見せることができる人が強い、ということに今ではなっています。
あなたは今、ちゃんとコツコツ貯めていますか?
もしあなたが、スタイリストとして経験が5年あったとします。
その5年の勤続年数の間に、毎月3万円ずつ、開業の積み立てを通帳で実績として示すことができるならば、あなたの通帳に、今、180万円の残高があることを見せることができることになります。
毎月引き落としになっていて、毎月定期が積み上がっている。
この両方を見せることができるわけです。
もしあなたの経験年数が1年に満たないとしたらどうでしょうか。
3万円を毎月、例えば10か月間貯めていたとします。
いま30万円の積み立てた金額を見せることができます。
経験年数が短いといけないというのは、こうやって積み立てる期間が短くなってしまうことにつながります。
ここで経験年数が重要という意味、分かりますでしょうか?
くれぐれも分かっていただきたいのは、わたしは、毎月3万円の貯金をしなくてはならない、と言っているわけではないということです。
毎月1万円ずつでも、いいわけです。
ここの、毎月いくら貯めるのかというのは、あなたが決めていいのです。
ただ、毎月コツコツ、3年、5年と貯め続けているという実績が、非常に大きな意味を持ちます。
ご両親から生前贈与で、ぼんと300万円もらいました、という風に、ほら300万円あります、だから貸してください、というお金のつくり方は、以前なら通じました。
でも今、あなたがコツコツ300万円用意したものではないというふうに、もし分かったとしたら、やっぱりいろんな条件が付いてくるかもしれません。
今は、額が絶対というよりは、コツコツと貯めてきている実績を示すというのが、何よりも重要ということを理解してください。
もし今、貯金をコツコツとすることをやっていなかったら、今からでも遅くはありませんので、やり始めてくださいね。
次も、融資の話しです。
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サロン開業プロデューサー 和田美香
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