偽装ばやりの世の中、美容業界は?
Posted on | 5月 15, 2016 | No Comments
多くの国民の期待を担って、華々しくスタートしたアベノミクス、異次元の金融緩和策によって、円安・株高の効果はあった。しかし、企業の業績改善が雇用増、給与増、さらには消費増につながったかというと、それほどではない。
アベノミクス効果で、ぶ厚い中間層の復活を期待するコメントをこのコラムに何回か書いた。中間層の復活が美容業界の再生につながるからだが、結局のところ2極分化が進んでしまった。
ごく一部のお金持ちにはバブルに近いインフレをもたらしたが、多くの貧困層は給与も思うように上がらず先行き不安な状態のままで、デフレ状況が続いている。
そして、成長戦略、つまり規制緩和が進まないなか、改めて3本の矢が放たれた。
規制緩和は傷みがともなう。とくに既得権を持つ団体との関係が深い与党にあっては、その存立基盤を揺るがしかねない。
その結果、傷みをともなう部分は棚上げにしたと思われても仕方ない。これは国民に対する偽装行為、まやかしともいえる。
偽装行為といえば、最近では三菱自動車の燃費偽装があった。その前はフォルクスワーゲンによる、やはり燃費偽装があった。韓国でも空気清浄機に入れる殺菌剤の偽装があった。日本でも羽毛寝具の羽毛の産地偽装や食品の産地偽装など、世の中偽装だらけだ。
消費者は偽装に対して非常に神経質になっている。理美容業界はどうだろう?
安易に「髪の毛がよくなる」「お肌が健康になる」などといって、ヘアケアや化粧品をすすめていないだろうか。髪の毛の指通りが滑らかになり、肌が潤った感触は得られるかもしれないが、髪の毛や肌がよくなったわけではない。
そこには科学的なエビデンスに裏付けられた説明が必要なのだが、しっかりとされているのだろうか。
偽装というほど大げさなものではないにしろ、いい加減な説明を続けていては信頼を失うだけだ。店販売上が伸びないのもこの辺に原因がありそうだ。
アベノミクスの結果、2極化が進んでしまった日本の経済状況の中で、美容室経営はどのようにして活路を見いだせばいいのか?
貧困層を顧客対象にしていては先細りするだけだ。となると富裕層をターゲットにせざるを得ないのだが、その方策を次回、紹介したい。
【小山秀男氏のホームページ】
http://www.koyama-lab.com/
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