理美容室の開業件数が前期比228件減|Review社レポート公開
Posted on | 6月 13, 2025 | No Comments
データプロバイダーの株式会社Review(リビュー)は2025年6月12日、2024年7月〜9月期における全国の理美容店開業状況をまとめた「全国理美容開業ランキング レポート ver2」を発表した。同社が独自に調査したデータによると、同期間中の理美容店開業件数は全国で1,518件にとどまり、前期(2024年4月〜6月期)の1,746件と比べて228件の減少となった。
この減少について同社は、単なる景気の影響に加え、「フリーランス」や「シェアサロン」など、店舗を構えない新たな働き方への移行が進んでいることも背景にあると分析している。とくに都市部では家賃や人件費の高騰に加え、店舗数の飽和状態や価格競争の激化もあり、独立開業のハードルが高まっている。一方で、地方では「小さく始める」「地元に根づく働き方」への志向が強まっており、独立スタイルそのものに地域差が生まれてきている。
エリア別の開業件数は、東京都が228件で最多、続いて大阪府142件、愛知県85件と続いた。以下、神奈川県、北海道、埼玉県、兵庫県などが上位を占めている。一方で、山梨県(5件)、高知県(6件)、秋田県(7件)、鳥取県、愛媛県、佐賀県、岩手県などが下位に並び、地域によって大きなばらつきがある。
前期比で開業数が増加した地域も一部存在する。最も伸びが大きかったのは石川県で+14件、次いで岐阜県が+10件、北海道・島根県が+8件と、地方圏での伸びが目立った。これらは地域に密着したビジネスモデルの実現可能性や競争環境の緩和が背景にあると見られている。
また、美容所の開業数は1,387件(前期1,701件)、理容所は131件(同171件)で、美容所の比率が圧倒的に高い状況に変わりはないものの、地方では理容所の存在感が一部で高まっている。実際に、半年前と比べて理容所の割合が20%以上増加したのは、山梨県・青森県・徳島県・大分県の4県にのぼり、地域によっては理容所を選択する傾向が根強く残っていることを示唆している。
今回の調査結果からは、理美容業界において「開業」という選択肢に対する意識の変化がうかがえる。サロン運営の在り方そのものが多様化する中、従来の「店舗開業=独立成功」という構図が変わりつつある。
全国理美容開業ランキングレポート ver2
https://re-view.jp/wp-content/uploads/marketingreport_beauty2.pdf
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