休眠中の理容師・美容師は約20万人!?
Posted on | 3月 29, 2023 | No Comments
理容師・美容師は免許登録はしても、休眠状態の人が多く、その結果、国の統計の差異になって現れています。その差異はおおよそ20万人にのぼります。
理容師・美容師の人数は理容・美容業界の基礎的なデータですが、調査によってばらつきがあるのはかねてから指摘されています。
理容・美容師数に関する国の調査には、毎年厚生労働者が発表する衛生行政報告例があり、理美容業界では主にこのデータを使っています。行政報告例のほかに、国勢調査、経済センサスがあります。この二つは行政報告例より少ない結果になっています(上のグラフ)。
これら3つの国が行う調査は、目的も違えば調査方法も違うので完全に一致することはありませんが、差異が大きい。調査年にズレはあるもののグラフ化すると、衛生行政報告例と他の2つの調査の違いはひと目でわかります。
国勢調査は被調査人による申告、経済センサスは調査員による調査、衛生行政報告例は保健所への届出の集計、を基本としてます。衛生行政報告例が届出を集計するのは人口動態調査と同じです。出生届、死亡届を集計し、10月1日時点の人口を算出します。衛生行政報告例は、3月末時点でのその年度の開業、廃業届けをカウントして算出します。
この届出がきちんと行われていれば、信頼できる確かなデータとして扱えます。人口については人口動態調査と国勢調査のデータから推計値を発表してます。理容師数、美容師数は元データだけで、推計値は出していません。
保健所に開業届、就業届はきちんと出すものの廃業届は未提出のままやめてしまう人がいるとの指摘はありますが、これはあったとしても少数です。多いのは副業的に理容・美容の仕事をしている人、休眠中の人、臨時雇用の人たちです。本業として理容・美容の仕事をしていなければ、国勢調査、経済センサスには反映されません。
理容・美容を主な仕事(本業)として生計をたている理容師、美容師は国勢調査、経済センサスの示すデータが実態に近い、と本欄は推測しています。
タグ: 国勢調査, 理美容ラウンジ, 衛生行政報告例