美容室開業後の値上げのメリット・デメリット
Posted on | 1月 12, 2022 | No Comments
美容室開業後の料金値上げの方法(3)
理美容サービス料金の値上げをどうやってするかについて、シリーズでお伝えしています。
先回、「顧客に提供する価値とは、顧客に起こる変化のことだ」というお話しをしました。
顧客が受ける変化が大きければ、その分、顧客から支払われる金額が大きくなる、という感情の方程式もお伝えしました。
今回は、価格アップのメリット・デメリットをお届けします。
これ以上客数が増やせないとか、これ以上カット面数を増やせない、それでも利益を増やしていきたいとき、これが値上げのタイミングです。
価格を「顧客が受取る変化の量」という観点からみると、値上げのメリット・デメリットは分かりやすいです。
値上げのメリット
値上げのメリットを先にお伝えしましょう。
値上げするということは、顧客に対し、提供価値向上、つまり変化する量をお約束するということになります。
顧客側にとっては、変化量とは、利便性向上、時間短縮、美と健康による生活の質の向上にむすびつくものとなります。
そして、約束した変化量を信じて下さる方とは、関係がより深まっていきます。
また、変化量を約束するということは、より一層、従来と比べて、提供内容にトンガリをもたせることが前提にもなります。
あれもこれも、すべての面において素晴らしいということを目指していたとしても、「結局なにがよくなったの?」という印象を与えかねないからです。
変化するポイントに賛同いただけるように、そのポイントを明確に言葉で示す必要もでてきます。
となると、結果的に、変化するポイントに期待して下さるかただけが残ることになります。
つまり、顧客選別につながります。
ひいては、物理的制約や時間的制約があったとしても、効率化、利益拡大につなげやすくなります。
価格アップは、ただサービス(商品)提供者側の利益増大だけに視点がゆくと、横柄にみえますが、実は、ベストなタイミングで価格アップを行うことは、顧客にも、サービス提供者側にも、両者に得なことが起こるわけです。
せっかく自分主体で活きる道を選んだ起業です。
経営者になってからも嫌いな顧客と「お金もらってるのだから」といやいや築く関係は、自分だけでなく相手も、時間ももったいないだけでなく、パフォーマンスも落ちて、両者の得になりません。
まれに、「価格アップをすると、『もっとあれもこれもやってくれ』と顧客がよりわがままになり、これ以上対応しきれなくなる」と心配される経営者さんもいらっしゃりますが、逆です。
顧客側も、どんな点を期待していいかわからないから、「価格が高いなら、こんなこともしてくれるのかな、あんなこともしてくれるのかな」と妄想をふくらませなければならない状況におちいっているだけなのです。
きちんと順をおって、提供する価値、受取っていただげク変化量、そして価格をアップを提示すれば、そんな心配は要りません。
値上げのデメリット
値上げのデメリットは、値上げのメリットの反対になります。
顧客のある一定数が、来店頻度、利用頻度を下げます。
価格をアップすると、低価格サービス(商品)をもとめる顧客がはなれていってしまうことは避けられません。
でも、低価格が理由であなたはお客様とつながっていたいですか?
そうでないから、価格アップを検討してこれを読んでくださっているわけですよね。
ここはおもいきって、あなたを信じてくださる方と手をたずさえる新しい道を、価格アップという方法で、切り開いていきましょう。
今回は、価格のメリット・デメリットをお伝えしました。
次回は、経営者の方から絶対にでる不安の声にお答えし、「顧客が減るという経営者の不安をどう解消するか」というテーマでお届けします。
執筆 和田美香
中小企業診断士/美容室開業コンサルタント/オンラインコース・クリエイター/みかんぐみ株式会社 代表取締役
初めての美容室独立開業工事110番
https://salonopen.com
フリーランス美容師のためのシェアリングサロンfrange
http://frange.link
収益の柱をもうひとつオンラインスクールでつくる
https://wadamika.com
【連載記事の案内】
美容室開業後の料金値上げの方法(2)
https://ribiyo-news.jp/?p=34007
美容室開業後の料金値上げの方法
https://ribiyo-news.jp/?p=33208
タグ: 人生100年時代の美容キャリア, 料金値上げ, 美容室開業後