皮膚の温感や触覚の仕組み
Posted on | 10月 14, 2021 | No Comments
毛は、爪や汗腺などとともに皮膚に附属する器官といわれています。今回は毛の元ともいうべき皮膚について。
皮膚は身体を防御するためにあります。同時に温感や触感の感覚器としての役目もあります。視覚の眼、音感の耳、嗅覚の鼻など感覚器は皮膚と同じ上皮細胞が進化してできた器官であることを考えれば納得できます。
皮膚の温感や触覚について、その仕組を発見した二人の博士が2021年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました(*)。
熱や圧力に反応するタンパク質の存在と、そのタンパク質が細胞内に入ると電気信号が発生して脳に伝わり、温感、触感として感じる仕組みを解明したのが受賞理由です。タンパク質はいまのところ温感は11種、触感は2種がわかっているそうです。
タンパク質によって反応する温域が違うそうで、わかっているタンパク質のうちカプサイシンは43度以上、メントールは25~28度以下とされています。
よくシャンプーなどで同じ温度設定をしても、熱いと感じて湯温を下げてほしい、というお客さまもいれば、逆のことをいうお客さまもいます。温度センサーであるタンパク質の多寡によって感じ方が違うのかもしれません。
また、高齢になると寒さには敏感になる反面、高温には鈍感になる傾向がありますが、これもセンサーであるタンパク質の多寡が影響しているのかもしれません。高齢になると高温センサーのタンパク質が減少して、暑さを感じなくなる、といった具合です。高齢者に熱中症が多いのはそのせいかもしれません。
(*)デービッド・ジュリアス教授(米カルフォルニア大サンフランシスコ校)とアーデム・パタプティアン教授(米・スクリプス研究所)
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