黒人、白人、そして黄色人種
Posted on | 3月 14, 2020 | No Comments
体毛喪失による皮膚の進化
猿は二足歩行をするようになり、ヒトになります。いまから700万年~600万年まえのことといわれています。二足歩行で、より大きな頭部を支えることができ、脳が発達しました。
二足歩行のヒトになって500万年ほど経ったころ、ヒトは体毛(獣毛)を失います。体毛を失うことで、ヒトはいまのヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)に近づきます。体毛の喪失は、二足歩行と同じくらい画期的なことといえます。いまから120万年前のことといわれています。
体毛の喪失と同時に皮膚に汗腺が得たことで、ヒトは暑さに耐えられるようになります。体毛を喪失してから汗腺が発達したのか、汗腺獲得後に体毛がなくなったのか、どちらが先か、もしくはほぼ同時進行だったか、はわかりません。しかし、これによって長時間、運動してもヒトは発汗し汗が蒸発することで体温を冷やす機能を得ました。狩りをするのにとても有利になりました。
この冷却機能、車のエンジンにたとえるなら、水冷エンジンといえます。
この冷却機能を獲得したことが体毛喪失の最大のメリットといえますが、それだけではありません。体毛がなくなることで、ケラチンでできた皮膚は丈夫になり、体毛にかわる外部からの防御機能を増すとともに、皮膚はいろいろと進化します。
その一つが皮膚の色です。皮膚にはメラニンという色素細胞がありますが、ヒトの居住する地域の太陽光の強さによって、メラニンのはたらきが違います。赤道に近い地域では紫外線から皮膚内部を守るために黒くなり、緯度の高い地域では白くなります。太陽光は骨を作るビタミンDを生成するために必要で、より多くの光線を受けるには白いほうが吸収しやすいからです。その中間は黄色。つまり黒人、白人、黄色人種は、体毛を失って分化したのです。
猿からヒトになった当初は、誕生した地域から肌の色は黒かったのではないかという説が有力です。
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