SDGs 理美容業界のひとつの可能性
Posted on | 8月 13, 2021 | No Comments
SDGsが世界の潮流になって、日本でもこの活動に積極的に取り組む企業や団体が増えてます。理美容業界でもすでにSDGsに取り組んでいるサロンや企業は多い。
サロンではヘアドネーションをはじめ、ヘアカラー剤などの容器の回収活動、また企業ではプラスチックから紙製容器への転換などさなざまな活動が行われています。
着目したいのは、理美容業界だけが扱う毛髪です。
理美容店でカットした毛髪は、ゴミとして廃棄されます。廃棄される運命の毛髪ですが、実は毛髪にはさまざまな可能性があります。
毛髪はケラチンタンパクでできていますが、このタンパク質がすごい。
いまわかっている特性として、
・植物の肥料として有力
・強力な油脂吸収作用がある
前者は、毛髪が地中で分解されると多量の窒素を発生し、植物を生育させます。従来の化学品である農薬を使わずにすみ、無農薬農法の可能性をひろげます。
後者は、毛髪1キロ当たり最大で8リットルの油脂を吸収する作用があるとされています。タンカー事故などで多量の原油が漏れた時に、毛髪を詰めた袋を投入すると、効率よく原油を吸収します。2020年11月にモーリシャス沖で座礁した、日本のタンカーによる燃料流出事故でも、毛髪を詰めた袋が活躍し、その効果は実証済です。
さまざまな可能性のある毛髪ですが、毛髪を活用するには、毛髪を集積し加工することが前提になります。実現するのは簡単ではありませんが、SDGsへの融資が優先される時代です。まったく不可能ではないと思います。
もちろん、その前の大前提として、全国に約35万店ある理容美容の業者のすべてとはいかないまでも、多くの理美容店の協力が必要です。
そういえば戦後の物資がない時代には毛髪を集めてアミノ酸醤油を製造していた時代もありました。毛髪のケラチンタンパクにはいろいろな可能性がありそうです。
タグ: SDGsと理美容, ケラチンタンパク, 髪にまつわるエトセトラ