理髪店 休業要請施設から外れる
Posted on | 4月 10, 2020 | No Comments
国から出された緊急事態宣言を受けて、2020年4月10日正式に発表された都の緊急事態措置に、国と都で見解が相違していた理髪店については休業要請施設に含めないことになった。
当初の都が示した案では、休業要請施設に理髪店を含めるとしていたが、国は要請の対象外とする方針を示し、理美容業界も混乱していた。
都が理髪店を休業要請の対象した根拠は「改正新型インフルエンザ対策特別措置法」(特措法)の施行令・第11条十二に「理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗」とあるためだ。「類するサービス」には美容室は含まれる。ネイルサロンやエステティックサロンはグレーゾーンだが、含まれる可能性が高い。
しかし、同施行令には「第三号から第十三号までに掲げる施設にあっては、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えるものに限る」(同条)とあることから、国はこれを法的根拠に含めないとした。千平方メートルを超す理美容サロンはまずない。
施行令が指定する施設と指定する床面積に整合性がなく、そもそも「法律の建て付け」に問題があって混乱を招いたともいえる。しかし、休業要請施設のなかには千平方メートル以下の施設もあることから、業種の新型コロナウイルス感染に対する危険性や生活面での必要性、業界の防疫体制なども勘案された結果、理髪店が含まれなくなったのかもしれない。
小池百合子都知事は4月10日開いた会見で、記者からの質問を受けて、実施方針が国と相違した点について、まず実施時期について、2週間を待たずに実施できることになったのを評価するとともに、休業要請の対象業種の違いについては、様子をみながらという点については国と同じ考えとしながらも、まず広範囲に規制して、様子をみながら規制を緩めるという都の方針と、逆に緩めに規制して、様子をみながら規制を強化するという国の方針との違いによるものとした(写真は都が配信した会見動画より)。
新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令
(「電子政府、e-GOV」より)
第十一条 法第四十五条第二項の政令で定める多数の者が利用する施設は、次のとおりとする。ただし、第三号から第十三号までに掲げる施設にあっては、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えるものに限る。
一 学校(第三号に掲げるものを除く。)
二 保育所、介護老人保健施設その他これらに類する通所又は短期間の入所により利用される福祉サービス又は保健医療サービスを提供する施設(通所又は短期間の入所の用に供する部分に限る。)
三 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学、同法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する高等課程を除く。)、同法第百三十四条第一項に規定する各種学校その他これらに類する教育施設
四 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
五 集会場又は公会堂
六 展示場
七 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗(食品、医薬品、医療機器その他衛生用品、再生医療等製品又は燃料その他生活に欠くことができない物品として厚生労働大臣が定めるものの売場を除く。)
八 ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。)
九 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場
十 博物館、美術館又は図書館
十一 キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設
十二 理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
十三 自動車教習所、学習塾その他これらに類する学習支援業を営む施設
十四 第三号から前号までに掲げる施設であって、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えないもののうち、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の発生の状況、動向若しくは原因又は社会状況を踏まえ、新型インフルエンザ等のまん延を防止するため法第四十五条第二項の規定による要請を行うことが特に必要なものとして厚生労働大臣が定めて公示するもの
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タグ: 新型インフルエンザ等対策特別措置法, 新型コロナウイルス, 緊急事態宣言