美容室のパース図での留意点
Posted on | 6月 30, 2016 | No Comments
設計図面の読み方(全5回)その2
パース図
ここ数年の傾向として、パース図(3Dデザイン図という場合もあります)が欲しいとご希望の施主様が増えてきました。
とくに、改装や、移転、複数店舗を持たれれるサロンオーナー様です。「昔、平面図だけではよくわからず、つくってから、ああすればよかったとか思うところもあったから、今回は納得してつくりたい。設計にお金がかかってもいいから、立体的に全体像がつかめるデザイン資料もつくってほしい」とおっしゃります。
お気持ちわかります。
より良い物をつくり、よりお客様に満足いただきたいですものね。
パソコンの性能アップにともない、設計のソフトの性能もあがり、平面図と立面図を作成すれば、3Dでどの角度からも確認できる映像をつくりやすい環境がととのってきました。なので、店舗内装の営業手法として、契約する前の段階で3Dのパース図をつくって自社をアピールする会社も増えてきました。
ですが、ここに、パース図の落とし穴があります。
せっかく3Dで図面をみても、平面図からただおこしただけの立体画像は、実は殺風景です。
そこで、店舗デザイン会社の営業さんがよくやるのは、殺風景に見せないように、インテリアや、注文をうけていない家具、小物、観葉植物などを配置し、魅力的な空間になるようにそれらを加えたものを、パース図として提出するということです。
装飾されたパース図を見せられた施主は、小物やインテリアが加わっているから魅力的な空間にみえるからくりに気づかず、こんなに素敵にみえるようになるなら、と割高な工事見積に納得させられがちです。
実際に工事が完成してから、パース図から受けた魅力的な印象の空間は、実はインテリアも付加してゆかないと得られない空間ということを知ります。
実際におこなう工事と、印象をつくるインテリアが付加されたパース図は違うということ。
3Dのパース図があるからと安心せず、ご覧になるとき、気をつけていただきたいです。
次回は、基本の「平面図」がテーマです。お楽しみに!
(著作:和田美香 「はじめての美容室独立開業工事110番(http://salonopen.com)」サイトでも、ブログやメルマガ執筆中)。
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