逆さ時計 または理美容室用時計
Posted on | 6月 14, 2024 | No Comments
理美容室の鏡越に見る時計を「逆さ時計」、「逆転時計」、または「理美容室用時計」ともいう。
インターネットで検索すると、何種類もの「理美容室用時計」がヒットします。値段は5千円程度から1万円台で購入できる商品が多い。インターネットが普及する前の昭和の時代(戦後)には理美容室の専門誌に広告が掲載され、理美容業界に流通していました。
いつごろから「理美容室用時計」はあったのでしょう?
写真の「理美容室用時計」は、「松本市時計博物館」の展示品です。「理髪店用さかさ時計」のタイトルで、「日本/明治」と紹介されています。明治といっても、中期以降と思われます。博物館には精工舎など国産の製品も展示されていますが、この時計はロゴから国産ではないようです。
「理美容室用時計」が登場するのは、西洋理髪店に大型の鏡が設けられるようになってからになります。大型の鏡は明治初期には設置する理髪店はありましたが、ザンギリの西洋理髪が定着するようになるは明治20年ごろといわれています。やはり「理美容室用時計」が日本の理髪店で普及するのは明治中期以降の可能性が高そうです。
「理美容室用時計」は、理美容室ならではの文化といえます。
もっとも近年は認知症予防のトレーニングとしても活用されています。また、遊び心のある人もいて、自宅で逆さ時計を楽しむ人もいる。
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