調理師が二等兵? なら美容師は上等兵!?

Posted on | 6月 14, 2023 | No Comments

「美容師法は偉くない」といった全日本美容連合会の元理事長がいましたが、法律に「偉い」「偉くない」はありません。

元理事長「調理師が二等兵なら、美容師は上等兵ぐらいかな」と続けたので、同じ国家資格の調理師免許、美容師免許についておっしゃったようです。

美容師免許は業務独占ですが、調理師免許は名称独占です。
名称独占とはいうまでもなく名称のみの独占です。料理長、料理人、板前、板長、シェフ、コックなどは自由に名乗れますが、調理師は調理師試験に合格した人しか名乗れません。しかし料理の仕事をするのは誰でもできます。

業務独占の美容師は、美容師だけが美容の仕事をすることができます。ヘアスタイリスト、ヘアドレッサー、なでつけ師、髪結などと名乗るのは自由ですが、美容の仕事はできません。業務独占とあるように業務として美容施術を行うことができるのは美容師だけになります。
もちろん美容師を名乗ることができるのも国家試験に合格した美容師だけです。

業務以外の美容施術については、基本的に美容師でなくてもできます。家庭で親が子供の髪をカットすることはありますし、南極観測隊では美容学校で数時間講習を受けた隊員がカットしていますが、これも問題視されることはありません。
業務独占とは、ある意味、業務に限定された免許のことになります。

しかし、業務でなければ誰でも自由に美容施術ができるか、というとそんなことはありません。不特定多数の人にすることはできません。家族とか、閉ざされた空間の隊員同志とかに限定されます。その範囲は社会通念に委ねられますが、在留外国人が同邦人を無料で美容施術するのは、おそらく問題視されないでしょう。

南極観測隊の例を出しましたが、同じ資格でも医師は南極観測隊に毎回参加しています。有料無料にかかわらず医療行為は医師しかできません。同じ国家資格とはいえ、美容師と医師では違います。

また、運転免許は公道を走行するには必須です。タクシーなど客を乗せて有料で運転するには二種免許が必要です。公道を走るには運転免許が必要ですが、所有する私道や私有地を走る分には無免許でも問題ありません。美容師と似ているところもありますが、運転免許は更新が必要です。

医師免許、運転免許を引き合いにだしましたが、一口に免許と言っても同列に扱われてはいません。ただ名称独占の調理師免許と業務独占とでは雲泥の差があるのは確かです。

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