ヘアカットマシーンのその後
Posted on | 8月 28, 2022 | No Comments
「2022年最新」と銘打って「美容師に将来性はあるの? 10年後の美容業界について予想&徹底解説」という記事が進学メディア『コレカラ進路.JP』(2022年8月15日)に掲載されていました。
記事は「近年はAIに役割を奪われる仕事があるなかで、美容師のスキルをAIが完全再現するにはまだまだ時間がかかるでしょう。現在AIができそうなのは、せいぜい髪の毛をお掃除ロボットでかたずけるくらいでしょう」と美容師の将来は安泰であると解説しています。
ところが実際は、完成度の高い「hair cutting machine」の試作があり、2020年にyoutubeに公開され、当メディアでも紹介しました。
それから2年。再生数は762万回を超え、「いいね!」も29万に達しています。世界から注目されているのは確かなようです。
開発したのは、自称「ワイフがいるのに16歳過ぎにみられる」青年です。カットする刃のついたアタッチメントを交換し、ヘアカラーを施術できるマシーンの製作に友人がとりかかっているらしい。別のサイトで出資者を募っていますが、現在のところ、その後の動向は不明です。
公開された動画を見る限り、マシーンによるカットはすぐにでも実現可能に思えますが、問題は製作しても採算に合うか、のようです。
カットマシーンを何台か設置したカットマシーン・ステーションのような店舗で、客がマシーンの中に入って、好みのヘアスタイルにカットするのが想定されます。
ターゲットとなる客は、メンテナンスサロンといわれる店に通っている客が中心になりそうですが、現在払っている料金より安く設定しないと継続して利用してもらえません。
米国にはむかしからテンダラーカットショップという10ドルでカットする理美容店があり、日本と同様の料金設定になるでしょう。
ヘアカットマシーンの製作費用にもよりますが、投資家はいまのところ市場に出しても採算ベースにのせるは難しいと判断しているのかもしれません。
希望するヘアスタイルのボタンを押すだけで、カットしてくれるマシーンはすでに出来上がっています。カットマシーンは採算性という次のステージに進んでいますが、このハードルは高そうです。
そして万が一、カットマシーンが普及する時代になっても、業容は変わるにしても、理美容の仕事に従事する人は間違いなく存在し続けます。
【参考】
I made a hair cutting machine
https://www.youtube.com/watch?v=7zBrbdU_y0s
(以下の静止画像は、youtubeより)
マシーンの中に入って解説
好みのヘアスタイルがオーダーできる
マシーンの心臓部。カットする鋏、画像解析するカメラで構成されている
2本の鋏で毛束を挟み込み、オーダーしたヘアスタイルに合わせてカット
画像解析の仕組みを解説
画像上のモニターには専門用語の表示があり、音声による指示にも対応するのかもしれない
【関連記事】
ロボット・ヘアカット・マシーン 高い完成度(2020年7月16日掲載)
https://ribiyo-news.jp/?p=29458
タグ: ヘアカットマシーン, 理美容ラウンジ, 自動カット機