「白髪る」しらける
Posted on | 11月 30, 2021 | No Comments
「白ける」という言葉があり、「興がさめる」という意味合いで使われます。
昭和のむかし、「白け鳥、飛んでいく、、」という戯れ歌が流行りましたが、ひところ流行った「KY、空気読めない」に近い。
「白ける」には、白くなるという意味もあり、辞典では「白っぽくみえる、色が薄くなる、あせる」などと説明しています。
『新明解国語辞典』は「興がさめる」より前に出ています。『広辞苑』では「白くみえる」と「興がさめる」の間に「負色(まけいろ)になる。具合が悪くなる」という意味を載せています。
辞典の掲載順をみても「白ける」はもともとは、白くなるという意味で使われていたのがわかります。
『万葉集』に「白髪る」の表記があります。「しらける」と読みます。白髪が増えた状態で、いまの白髪頭と同じです。
白髪るまでも睦まじく、、などとあり、「白髪る」には「長期にわたる、すえながく、老いる」などの意味合いがあったのがわかります。
ぬばたまの黒髪変わり白髪(しらけ)ても痛き恋にはあふ時ありけり
という、老いらくの失恋歌もあり、この歌を詠んだご老人にはお気の毒ですが、失笑を禁じえません。
ちなみに「ぬばたま」は黒、あるいは黒髪にかかる枕詞です。
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