モダンガールは毛断ガール!?
Posted on | 3月 14, 2021 | No Comments
モボ・モガは、モダンガール、モダンボーイのことです。大正時代に流行りました。
ミディアムやロングのスカートをはいた、断髪した女性が釣鐘状のクロッシェ帽を被り、銀座の街を歩く姿が、当時の新聞などに取り上げられ、後年、モダンガールが一世を風靡したように思われますが、実際は少数派です。
当時、最先端の洋装が目立ち注目されたのは間違いありませんが、大正末に銀座で女性のファッションを観察した、考現学者を称する今和次郎さんが調べたところ半数もいません。地方都市は、数えるほどです。大流行とはほど遠いモボ・モガでした。断髪の洋髪は少なかったものの、束髪は多くみられ、大正時代は日本髪から洋髪への過渡期の時代だったともいえます
モダンガールの象徴の一つがショートヘアの断髪です。モダンガールのことを毛断ガールと語呂合わせで表記することもあります。そのくらいショートの断髪が注目されました。
後年、モダンガールと称する写真のなかにウエーブをあしらったヘアスタイルのものが散見されますが、大正の時代、まだパーマネントは普及していません。すでにあったマルセルアイロンで作るのは可能ですが、昭和になってから撮影した写真を使っている可能性は否定できません。
モダンガールという言葉、英語のmodern girlを訳した言葉ではありません。日本発の和製英語です。1927年(昭和2年)10月1日付けの『The DAILY HERALD』紙(英国)が、「日本で使われているmodern girlを英語として認めたらどうか」という提案をしていることを、『黒髪と美の歴史』が紹介しています。
主な参考書籍
『日本結髪全史』(江馬務、創元社)
『考現学入門』(今和次郎、ちくま文庫)
『黒髪と美の歴史』(平松隆円、角川文庫)
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