美容技術の幅を増やせば、夢がひろがる
Posted on | 2月 28, 2021 | No Comments
『女だからって、いわなくていい。全力でお客様と向き合うのと、自分の人生を大事にするのと、どちらもフリーランスなら叶う。』
フリーランス美容師には、2つのタイプの働き方があります。
ひとつは、業務委託として働き、集客はお店が行う形態。もうひとつは、固定費の場所代をご自分で払い、集客も売上もすべて自己責任という形態。
今回インタビューさせていただいたwaco(ワコ)さんは、この2つのタイプの働き方を経験されてきています。
2020年8月に、集客も売上もすべて自己責任のフリーランス美容師に転身された前後の想い、そして、今をお聞きしました。
積極的になったわけではなかった
―――フリーランスになられるまでの経緯をおしえていただけますか?
Waco(ワコ)さん まず、わたしの経歴をすこしお話ししますね。最初は、専門学校を出てすぐに大手に入社し、4年半勤めました。そこでは技術の基礎や、組織を学びました。次に、規模が大きくないお店に入社しました。アシスタントで入り、スタイリストとしてデビューしてしばらくの間も、正社員として働いていました。ですが、途中から、その同じサロンで、業務委託の働き方に変更となりました。
わたしは、当時若くて、どちらがどう違うのかがわかっておらず、「社保を自分で払うのか」ぐらいの認識しかありませんでした。
なので、業務委託というフリーランスになったときにも、ただレールの上を歩いていただけで、積極的にそうなったわけではなかったのです。
本当の意味でのフリーランスになったのは、2020年8月からです。
もっと時間が欲しくて、フリーランスに
―――業務委託の形態から、集客も売上もすべて自己責任のフリーランスに転身されたときの変わり目で、何があったのですか?
Waco(ワコ)さん なんでなったかと言うと、自分の将来を考えたからです。2020年春に、新型コロナの影響で、緊急事態宣言があり、世の中が大変でした。お店も大変だけど、お客さん自身も大きな変化にみまわれる方が多くおられました。このことがきっかけで、自分自身をふりかえり、自分は、一体何が出来るんだろうって、真剣に考えるようになりました。今のままでいいのかな? 自分はお客様のためにと働いてきたけれど、今後、ほんとの意味で役立つためにいったい何を提供できるのかと。
そして、お客様に対して、何か圧倒的に役立つものを持ちたい、もっと強く生きて役立つ人になりたいと、強烈に思うようになったんです。
だったら、何をしよう、わたしは、何が得意なのかと自分のなかですごく探し始めました。
美容師として抜きんでて打ち出すものをもっておられる周りの方をみていると、カラーが得意、カットが得意といった、ヘア技術のなかでの得意をアピールされています。
わたしは、何が得意なのか? カラーをいまから、得意と言っても、いま抜きんでて目立っている人と差別化できるのか?
そんなことを繰り返し考えていたら、そういえば、お肌のことに関して情報提供するのが自分はとても好きで、かつ、お客様にもとても喜ばれていたことを、思い出したのです。
そうだ、もっと、美容師としてヘアだけでなく、美容全般、特に肌やお顔のことなら何でもできる美容師になろう、そのために、お肌の勉強もして、強みとして付加してやっていこうと思い立ったのでした。
「お肌の勉強や仕事も取り入れたい」と思ったら、それまでの働き方では時間がとれなかったので、もっと勉強や幅をひろげる時間が欲しくて、フリーランスにならざるを得なかったのです。
勉強させていただきながらアルバイト代
―――もともと、アイリストさんだったとか、フェイシャルエステが出来たとかではなく、強みを増やすためにフリーランスになられたんですね。
Waco(ワコ)さん そうなんです。いろんな人に、肌の仕事をしたいと話したら、じゃあ、うちにまずバイトにきて勉強したらと言ってくださった女性経営者さんと出会い、そこで、アルバイトさせていただきながら、いま、勉強期間を過ごしています。
アイリストの技術を習得するための昨年8月からの半年は、ほんとに、昔のアシスタント時代にもどったぐらい、朝早くから夜まで必死の時期でした。学校に行くのとちがって、勉強させていただきながら、アルバイト代をいただけるなんてありがたいとおもって、踏ん張りました。ひととおり、任せてもらえるようになったので、次、フェイシャルの技術もこれから勉強をするところです。
最低、週1日は完全オフ
―――いまどんな時間の過ごし方をされているのですか?
Waco(ワコ)さん 週2日は、アイリストとしてアルバイト先に出勤しています。ここは、「お勤め」という感じですね。でも、自分には必要な時間です。週3日から4日は、フリーランス美容師として、予約受付から技術提供、接客をやっています。そして最低、週1日は、完全オフの日をつくるようにしています。
美容師の仕事は、まず信頼していただくこと
―――アイリストやエステのお仕事と、美容師のお仕事を融合させるメリットはありますか?
Waco(ワコ)さん ありますよ。大きくは、2つ、いいところがあるとおもってます。
ひとつは、自分も、出産をあきらめなくていいんだと思えたこと。
ばくぜんとしてですが、小さい頃から子どもを産むのも夢でした。
わたしは、いま結婚してパートナーもいますが、美容師の仕事だけをしていたときは、子供を産むに当たって、この状況では産めないなとおもっていたのです。
周りの女性の美容師さんをみていると、お客様が居てくださることに感謝するがゆえに、お客様に迷惑をかけられないと、産むタイミングをすごく考えてしまって、「いまではない」とずっと言い続けている方や、出産後すぐ復帰して無理して働いておられる方ばかりです。
また、いつか子供を産んで居なくなると思われているのが言葉の端々や、扱われ方で感じていて、わたしは、そんな中途半端に美容師をやっているのではないのにと、すごいジレンマを感じていました。
わたしは、もっと強みをもって、もっと強く生きたいとおもったのは、こんな背景もあったのです。
いま、ちょうど、アイリストとして勤めているサロンのオーナーは、お子様を出産されたばかりなのですが、美容師なら考えられないぐらい、出産直前まで、現場でお客様を接客され、そして復帰されています。
それを目の当たりにして、なんていい働き方なんだとおもったのです。
美容師は立ち仕事で、かつ、シャンプーなど踏ん張らなければならない場面もあるけれど、アイリストなら、座って仕事ができるから、お客様と接していられる時間が長くても負担にならないのです。
わたしも、美容技術の幅を増やすことで、子どもをあきらめなくていいと、夢がひろがりました。
もうひとつは、どちらの仕事も、お客様を増やす入口にでき、また、組み合せることでお客様の満足度があがるということです。
つまり、集客に困らないということです。
アイリストとして接客させていただくお客様も、実は、もっと自分にあう美容師がいないか潜在的には探しておられたりします。信頼いただけるきっかけが、アイリストのお仕事でできるわけです。アイリストとして「この人しっかりしている」といった具合に、信頼いただき、満足いただく結果をだしたら、ヘア技術の美容師としてのわたしのところへ来てくださります。
美容師の仕事は、まず信頼してくださらないと始まらないので、信頼いただける入口が別にあるというのは大きなことです。
また、もともと美容師としてのわたしを信頼してヘアケアやヘアデザインを目的に通ってくださるお客様にも、アイメイクや、お肌の情報提供をより掘り下げてお役にたてるようになる上に、別店舗になりますが、あわせて技術提供もさせていただけるので、より喜んでいただけている実感があります。
<取材日 2021年2月18日>
ヘアスタイリストとして表参道・原宿エリアで活動。
アイリストとしては、六本木・麻布エリアで活動中。
Waco(ワコ)さんへの連絡先
https://instagram.com/waco_original?r=nametag
フリーランス美容師のためのシェアリングサロンfrange運営
美容のおかげで、人生を肯定でき、幸せは身近なところになると気づかせてもらった経験から、美容業応援の仕事に。美容室の広告・集客コンサルタント、美容室開業プロデューサーをするなかで、お客様のためだけに時間を使いたい美容師の環境づくりを支援することが、いまの時代にあった美容業応援の道と考え、frangeを開設。
シェアリングサロンfrange http://frange.link/
株式会社みがんぐみ http://salonopen.com/
タグ: Waco, フリーランス美容師, 人生100年時代の美容キャリア