世の中の景気に追随しきれない理美容サロン業界
Posted on | 3月 21, 2019 | No Comments
理美容サロン業界は世の中の景気動向にワンテンポ遅れるのを常としてきました。景気が良くなれば、1年後ぐらいに理美容業界の景気が回復し、景気が悪くなれば、やはり1年後ぐらいに下降します。昭和の時代は、世の中の景気にワンテンポ遅れて追随してきた理美容サロン業界でした。
平成になってバブルがはじけデフレ経済が続くと、理美容業界も不況を免れませんでした。そして、第二次安倍内閣ではじまったアベノミクスです。平成20年代中ごろより日本経済は、回復基調にはいったといいます。不動産・建築関係や輸出産業、IT関連、観光宿泊などの産業は好調で、各経済指標も緩やかながら長期にわたり改善しています。
以前なら、そろそろ理美容サロン業界も回復してもおかしくありません。ところが理美容サロン業界から景気のいい話は聞こえてきません。メンテナンスサロンとか身だしなみサロンといわれるリーズナブルな料金設定をした、いわゆる業態店は稼働率も上がり店舗数が増えていますが、一般のサロンは低迷したままです。
その原因として、労働者の給与が期待していたほど上昇しないことと、アベノミクスによる円安がありそうです。円安は輸出企業の業績を押し上げる効果がありますが、一方で輸入品の値上がりを招きます。好業績の企業が従業員の給料を十分にあげれば、その効果はめぐりめぐって、理美容サロン業界にも波及するとこが期待されますが、現状はそうなっていません。
輸入品は燃料や食料品など生活必需品が多い。生活していくうえでの必要経費です。期待したほど給料が上がらないなか、必要経費が増えれば、生活関連サービス関連への支出は抑えざるを得ません。
生活関連サービス産業のなかでも、とくに美容系サービスは節約の対象になりやすい。景気が低迷しているのは、理美容サロン業界だけでなく、エステティックやネイル、リラクゼーションなどの美容系全般に及んでいます。
「理美容サロン業界は世の中の景気にワンテンポ遅れる」というこれまでの図式が覆ったのが平成時代でした。
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