業況DIは前期比プラスも回復は鈍い|日本公庫の景気動向調査(2025年4〜6月期)
Posted on | 8月 4, 2025 | No Comments
日本政策金融公庫は、2025年7月31日に生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2025年4~6月期)を公表した。今期の業況DI(業況判断指数)は、理容業・美容業ともに前期より改善したが、前年同期比では依然としてマイナスとなった。
例年、4~6月期は年度初めで上振れしやすく、1~3月期は下振れる傾向にある。2025年もその傾向を踏襲し、前期比ではプラスとなった一方で、前年同期比では理美容業ともにマイナスとなり、回復が足踏み状態にある。

DI(業況判断指数)とは、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値だ。2005年以降、この数値がプラスとなった期は一度もなく、理容・美容両業界の業況が長期にわたり厳しい状態にあることがうかがえる。
今期は採算面で理容業が再びプラスに転じた。前期のゼロを挟み、これで6期連続でプラス圏を維持している。また美容業では、客単価が5期ぶりにプラスに転じ、+0.2となった。
公庫の調査結果を見る限り、美容業に比べて理容業のほうが改善傾向がやや強いようだが、全体としては依然として緩やかな回復にとどまっている。
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景気動向等調査結果(2025年4-6月期)
| 指標 | 業種 | 今期 | 前期比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 業況 | 理容 | -8.9 | 16.2 | -3.7 |
| 美容 | -16.4 | 10.1 | -7.1 | |
| 全業種 | -8.0 | 12.9 | -12.7 | |
| 売上 | 理容 | -9.8 | 8.3 | -4.5 |
| 美容 | -16.6 | 8.2 | -8.1 | |
| 全業種 | -4.5 | 3.3 | -15.8 | |
| 採算 | 理容 | 5.0 | 5.0 | 0.7 |
| 美容 | -6.1 | 4.3 | -1.5 | |
| 全業種 | -1.5 | 5.7 | -3.3 | |
| 利用客数 | 理容 | -24.9 | 5.5 | -9.1 |
| 美容 | -29.8 | 4.5 | -5.3 | |
| 全業種 | -19.1 | 1.8 | -16.7 | |
| 客単価 | 理容 | -3.1 | -1.9 | -5.0 |
| 美容 | 0.2 | 8.5 | 2.2 | |
| 全業種 | 10.3 | 3.0 | -2.6 |
*DI=「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値
<調査概要>
調査時点:2025年6月中旬
調査方法:郵送調査
調査対象:生活衛生関係営業 3,290 企業
有効回答企業数 3,290企業
理容業417企業
美容業457企業
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長期傾向
上のグラフは、2014年から直近までの理容業美容業の業況DI 4期移動平均線。
コロナ禍で大きく落ち込んだが、長期的には両業とも回復傾向にあるのがわかる。
(最も落ち込んだ期は2020年第4四半期)
タグ: 日本政策金融公庫, 景気動向調査, 業況DI

























