毛髪のうねりは内部ケラチンの非対称分布が関与
Posted on | 6月 11, 2025 | No Comments
クセ毛の原因には毛根や髪の形状だけでなく、毛髪内部のケラチン分布が関係していることが、タカラベルモント株式会社の最新研究で明らかになった。
同社の化粧品研究開発部は、独自の蛍光イメージング技術を進化させ、毛髪内部に存在する12種類のケラチンの分布パターンを高解像度で可視化。クセ毛と直毛との間で、特に3種類のケラチンにおいて左右分布に明確な偏りがあることを発見した。
この研究成果は、2024年11月に神戸で開催された「第2回日本化粧品技術者会 学術大会」にて発表されたもの。タイトルは「免疫組織科学と類似度比較を用いることによる毛髪中のケラチンプロファイリング」。
<毛髪の横切片を作成し、12種類のケラチン分布パターンを赤色の蛍光色素で可視化>
研究では、毛髪を構成するケラチンに着目。中でもKRT35、KRT38、KRT85の3種において、クセ毛では左右の分布バランスが崩れており、これが毛のうねりに寄与している可能性が示唆された。さらに画像検索などで使われる「類似度比較」のアルゴリズムを応用し、髪の断面を左右に分割してケラチン分布のズレを数値化。クセ毛の内部構造が持つ特性を科学的に裏付ける結果となった。
今回の研究成果は、将来的にクセ毛の根本的な原因解明と、髪質を生える段階からコントロールする新技術の開発へとつながる可能性を秘めている。加えて、進化した蛍光イメージング技術はケラチン以外の毛髪成分にも応用できるとして、美容・健康分野でのさらなる展開が期待されている。
タカラベルモントでは今後も毛髪科学のフロントラインで研究を進め、「美の本質」に迫る挑戦を続けていくとしている。
タグ: ケラチン, 美容サイエンス, 髪のうねり