ビューティガレージ、新中期経営計画を発表|「サロンコンシェルジュNo.1」企業へ
Posted on | 6月 10, 2025 | No Comments
ビューティガレージ株式会社は2025年6月9日、2029年度を最終年度とする中期経営計画「2025-2029」を発表した。前中期経営計画(2020-2024)の結果を踏まえつつ、次なる成長ステージとして「開業と繁盛を総合支援するサロンコンシェルジュNo.1企業」を掲げた。
2024年度の実績は、売上高337.2億円、経常利益15.8億円を達成。中期目標として、2029年度には売上高620億円、経常利益40億円、経常利益率6.5%を目指すとした。
前中期経営計画の振り返り
2019年に掲げた「国内美容ディーラーNo.1」の目標については、2024年度時点で事実上達成。5年間で売上高は約2.1倍、経常利益は約2.1倍に成長した。一方、EC売上高や総還元性向などのKPIは目標を超えて達成したが、自己資本比率や一部事業売上では未達に終わった。
新中計の3つの成長戦略
ビューティガレージは新たな5年間で、以下の成長戦略を柱に掲げる。
1.プラットフォーマー機能の最大化
ECの利便性向上、生成AIの導入、情報プラットフォーム構築、物流拠点の強化、Salon.ECなどを軸に、業界内での競争優位を拡大する。
2.店舗開業支援力の大幅強化
「美経分離(美容業務と経営の分離)」を支援するBPOサービスの強化や、1,000店舗規模を目指すリース・サブリース事業、店舗設計事業の拡張により、開業から運営までトータルサポートを提供する。
3.新市場への挑戦
フィットネス、鍼灸・整骨院、温浴施設などウェルネス領域への展開に加え、ASEAN諸国を中心とした海外展開も加速。サロンの3大課題「採用・教育・集客」への支援も強化する。
ソリューション事業を第2の柱に
同社はこれまで物販に偏重していた収益構造からの脱却を図る。ソリューション事業の利益構成比を2024年度の22%から、2029年度には約34%にまで引き上げる計画だ。バックオフィス支援、フルフィルメント、マーケティング支援などを成長エンジンとし、真のソリューションカンパニーを目指す。
店舗設計事業の進化
店舗設計では、美容室にとどまらず、フィットネス、クリニック、レストランなど多業種への拡張を図る。また、小規模工事を専門とする新会社「株式会社サロンビルド(仮称)」も設立予定。新拠点の開設による全国対応力の強化も推進する。
海外展開とJAPAN BEAUTYの発信
同社はシンガポールとマレーシアに拠点を持ち、今後はベトナム、インドネシア、フィリピンなどASEAN諸国への展開を検討中。美容教育、製品販売、ビューティシャンの海外進出支援などを通じて「JAPAN BEAUTY」の価値を広める。
サステナビリティと人的資本への取り組み
サステナブル経営の一環として、中古機器流通の活性化、再資源化商品の拡充、廃棄削減など環境対策を推進。人的資本では、自律的キャリア形成やダイバーシティ推進、働きがいのある環境整備を重視する方針を掲げている。
5年後の姿と長期ビジョン
2029年度には、売上高620億円、経常利益40億円、アクティブユーザー数35万口座、時価総額500億円を目指す。さらに10年後には売上1,000億円、時価総額1,000億円の達成を目標とし、美容業界の常識を覆す「ビューティインダストリーイノベーター」への進化を目指す構えだ。
美容業界に与える影響
今回の中期経営計画は、単なる事業成長ではなく、同社の「美容業界を変える」という創業理念にもとづき、サロン業界の課題解決と共存共栄を志向する構想に満ちている。今後の動向は注視すべき内容といえ、とりわけ経営支援・人材育成・販促支援といった直接・間接支援の広がりは、現場レベルでの変革を促す可能性がある。
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