「髭は不衛生」は誤解だった ワシントン・ポストが科学的反証
Posted on | 5月 26, 2025 | No Comments
日本ではムスリムや欧米人ほど髭を蓄えている男性が少ないため、髭の衛生状態が話題になることはあまりありません。しかし、欧米では「髭が病気を媒介する可能性がある」との説が、半世紀以上前から信じられてきました。
この説が広まるきっかけとなったのは、約60年前に微生物学者マヌエル・S・バルベイト氏らが行った研究です。彼らは、髭を洗浄した後でもバクテリアが残っていることを発見し、1967年ごろから「髭=病気の媒介源」という認識が広がったといわれています(米ワシントン・ポスト=WP紙より)。
しかし近年では、この説に対して否定的な見解が増えています。
ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のキンバリー・デイビス准教授は、「私たちの体に常在菌がいるように、髭にもそれが存在するだけです」とコメント。ワイル・コーネル医科大学臨床皮膚科のシャリ・リプナー准教授も「皮膚に存在する全ての微生物が有害なわけではありません」と述べています。つまり、髭にバクテリアが付着しているからといって、それが病気を引き起こすとは限らないという考え方です。
さらに、ヴァンダービルト大学のウィリアム・シャフナー教授は、「あごひげや口ひげを生やしている人が、恋人を含む他者に感染リスクを与えることはないと確認された」とする研究結果も紹介しています。
とはいえ、髭の不衛生は見た目や印象にも関わるため、清潔に保つことは大切です。WP紙では、髭も頭髪と同様にシャンプーで洗うことを推奨しています。
この話題は日本ではあまり注目されていませんが、今後、男性のグルーミング意識の高まりとともに、髭ケアに対する関心も広がっていくかもしれません。
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