ネイルサロン市場が回復傾向 ネイル白書2025年より
Posted on | 5月 5, 2025 | No Comments
ネイルサロン市場は順調に回復している。コロナ禍前の2019年に記録した市場規模1661億円には届かないものの、堅調な成長を続けている。
『ネイル白書2025年』によれば、ネイルサロンの市場規模(ヘアサロンによるネイルサービスを除く)は、コロナ禍で2021年に1311億円まで落ち込んだが、2022年に1381億円、2023年に1466億円、2024年には1551億円まで回復。2025年には1597億円規模になると予測されている。
順調に拡大するネイル市場だが、一方で開業のハードルが低いことから、参入も相次いでいる。
ネイルサロンの店舗数は2011年に1万400店だったのに対し、2024年には2万3290店に増加。就業するネイリストの数も、2011年の6万人から2023年には7万250人に増加している。
このように、ネイル市場の拡大ペースを上回る勢いで店舗数と就業者数が増えたことで、1店舗あたり・1人あたりの売上は減少傾向にある。
2011年の1サロン当たりの年間売上は1384万円だったが、2024年には666万円まで低下。ネイリスト1人あたりの売上も、2011年の240万円から2023年には209万円に減少している。
サロン形態を見ると、ネイルサロンの約4分の3は個人宅などで運営する単独店。サロン企業による運営もあるが、圧倒的に個人開業が多い。シェアサロンの活用も一部で進むが、まだ1%程度と限定的だ。
開業コストが抑えられるネイルサロンは、ヘアサロン以上に開業のハードルが低い。店舗数の急増により、1店舗あたりの売上減少は避けられない構造になっていると見られる。
ネイル人気は依然として高く、女性を中心に需要が根強い。近年では男性のネイル施術も増加傾向にある。今後も市場の拡大が期待される一方、参入の増加によって競争はさらに激化する見通しといえる。
活況を呈するネイルサロン業界だが、今後はより一層の差別化のための戦略が求められる。
*参考資料(2023年次/確定値の販売メニュー)
内訳 | 市場規模(億円) | 構成比(%) | 伸長率(%) |
---|---|---|---|
ネイルケア・カラーリング | 136 | 9 | 7.2 |
ジェルネイル | 1024 | 67 | 6.0 |
アクリルネイル | 66 | 4 | 3.6 |
オーダーチップ・アート | 46 | 3 | 6.0 |
フットケア | 173 | 11 | 7.0 |
その他 | 31 | 2 | 5.9 |
店販品 | 54 | 4 | 3.1 |
計 | 1531 | 100 | 6.0 |
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