世界のネイルサロン市場、2029年に2兆円超へ成長|AI・男性美容需要が成長のカギに
Posted on | 7月 12, 2025 | No Comments
世界のネイルサロン市場が急成長を遂げている。株式会社グローバルインフォメーション(東証スタンダード)は、市場調査レポート「ネイルサロンの世界市場レポート 2025」(The Business Research Company)を2025年7月10日に発表した。それによると、世界のネイルサロン市場は2029年までに181億4000万米ドル(約2兆6600億円)に達する見通しで、年平均成長率(CAGR)は8.5%とされている。
国内市場も堅調に推移しており、2025年のネイル市場規模は2212億円に達する見込み(『ネイル白書2025』)である。こうした背景には、ネイルケア製品の進化や、オーガニック・無害な製品への需要の高まり、ネイルサロンのフランチャイズ展開の加速、男性の美容意識の向上、さらにはデジタル予約システムの普及といった多様な要因がある。
とくに注目されるのは、「パーソナルグルーミング」と「セルフケア」への関心の高まりだ。スキンケアやヘアケア、衛生管理、精神・身体的な健康を意識した習慣が広まり、ネイルサロンはその中心的存在となっている。SNSやライフスタイルの多様化により、自身の外見や内面の健康を意識する消費者が増加している。こうした動きは、リラクゼーションと美意識の両立を求める消費行動へとつながり、プロによるネイルケアへの関心を押し上げている。
また、近年では男性の美容市場への参入も顕著だ。米国作業療法協会(AOTA)の報告によれば、2023年には男性の6%が有名人の支持するスキンケア製品を購入し、前年の3%から倍増している。さらに、男性消費者の4割以上が日常的にスキンケア製品を活用しており、美容をライフスタイルに取り入れている。この流れはネイルサロンにも波及しており、男女を問わず美容意識の裾野が広がっていることがうかがえる。
市場の活性化を支えるもう一つの要素が、テクノロジーと連動したサービスの高度化である。AIやロボティクスを取り入れた新サービスの登場により、ネイルサロンの効率性と利便性が飛躍的に向上している。代表的な事例として、米国のXWELL, Inc.と美容テクノロジー企業Clockwork社による提携がある。2023年3月にはジョン・F・ケネディ国際空港にて、AIを活用したエクスプレス・マニキュア・サービスが導入された。このサービスは、ロボティック技術により10分以内で高精度かつ衛生的なマニキュアを提供するもので、多忙な旅行者に対してスピーディーな美容サービスを実現している。
こうした先進的な取り組みは、サービス品質の向上に加え、顧客体験の強化、パーソナライズされた施術の導入にもつながる。ネイルサロン業界では、他業種との戦略的提携も進んでおり、研究開発やブランド価値の向上、リーチの拡大といった効果を生み出している。環境配慮型の製品開発や、サステナブルなビジネスモデルの構築といった新たな潮流も見逃せない。
ネイルサロン市場は、単なる美容サービスの枠を超え、ライフスタイルやウェルネス、テクノロジーの交差点として存在感を増している。今後もネイルサロン業界は、消費者の多様なニーズに応えながら、持続的な成長を遂げていくと考えられる。
詳細・レポートの購入は
『ネイルサロンの世界市場レポート 2025年』
https://www.gii.co.jp/report/tbrc1730957-nail-salon-global-market-report.html
タグ: ネイルサロン, ネイルサロン市場, 世界のネイルサロン市場

























