環境衛生監視員の立入検査数 理容所は10店に1店 2022年度
Posted on | 1月 28, 2025 | No Comments
環境衛生監視員等による調査・監視指導施設数
環境衛生監視員による立入検査を煙たく感じる理美容室経営者は少なからずいると思いますが、立入検査回数は減少傾向にあります。
厚生労働省が昨年発表した2022年度の「環境衛生監視員等による調査・監視指導施設数」(地域保健・健康増進事業報告)によると、理容、美容とも前年度よりは増えたものの2014年度に比べると大幅に減っているのがわかります(下のグラフ)。
衛生行政報告による理容所数、美容所数から2014年度は、理容は全施設数の24.4%を検査したのに対し、8年後の2022年度は11.1%と半数以下に減っています。2022年度の理容所への立入検査はほぼ10店に1店の割合になります。美容は26.2%から14.7%に減っています。
減っているのは理容、美容に限らず、環境衛生監視員が調査対象にしている、クリーニング、ホテル旅館、浴場、興行なども減っています。
厚生労働省の資料をみると、理容所では剃刀の替刃の消毒が徹底されていない事例や、理美容に関しては消毒管理の問題や構造設備の不適合といった指摘があるものの、重大な事案にはなっていません。せいぜいアタマジラミの発生程度です。(余談ですが、理容所の顔剃りは98%が替刃の剃刀を使用しているそうです)
調査対象のうち浴場でレジオネラ属菌による事案の発生があり、世間の注目を集めましたが、例外といえます。やはり全体としては社会的に問題になるような事案の発生は少なく、おのずと検査回数が減るもの納得できます。
専従の環境衛生監視員の数も減っています。平成8年は569人いましたが平成21年には385人になっています。兼務職の環境監視員で補完していますが、それでも専従・兼務を合わせた監視員は平成8年には6782人だったものが平成21年には5984人に減っています。
環境衛生監視員による立入検査そのものの役割が低下しているといえそうです。
理容業、美容業は生活衛生業は衛生を基盤とした職業です。理美容室における衛生・消毒の管理は重要です。利用者は理美容室の衛生状況をそれとなくチャックしているはずです。
環境衛生監視員の立入検査に頼ることなく、自ら衛生・消毒管理の徹底が求められます。
(*)検査回数の年度ごとの合計は上のグラフの通りですが、保健所によって検査回数は大きなばらつきがあり、最小と最多では20倍ほどの開きがあります。
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