理容所美容所への立入検査は5年に1回ほど　環境衛生監視員

Posted on | 5月 18, 2023 | No Comments

理容所美容所は保健所（または地元自治体の衛生部局）の環境衛生監視員から立入調査・監視指導を受けることになっていますが、その回数に大きな差があります。

平成21年度の資料と少し古いのですが、厚生労働省の「生活衛生関係営業施設1か所あたり調査・監視指導回数」によると、理容所の平均回数は年0.19回、美容所は年0.21回です。1施設に5年に1回ほど立入検査していることになります。

1施設に年1回以上立入検査している保健所は理容所はゼロ、美容所は柏市だけです。理容所も美容所も平均以下の回数の保健所が三分の二を占め、0.1以下も多い。最多と最小では10倍以上の差があり、保健所によって生衛施設への監視対応の違いが大きいのがわかります。

環境衛生監視員が検査する施設は、理容所、美容所のほか、クリーニング、公衆浴場、旅館・ホテル、興行所が対象です。
これらの施設は業種によって増減はありますが、全体では平成になってから、ほぼ横ばいで推移しています（衛生行政報告例）。一方、環境衛生監視員は減っています。専従の環境衛生監視員は平成8年には569人だったのが平成21年は385人、また兼務者は平成8年は6213人だったのが21年には5599人にそれぞれ減っています。

環境衛生監視員の業務は前述の生活衛生施設への検査だけではありません。水道、下水、墓地、火葬場、プール・海水浴場などの指導管理、斃獣処理などなど多岐にわたります（＊）。
これだけの仕事を抱えていれば、理容所、美容所への立入検査が5年に1回なのも理解しないといけないようです。

なお、資料から10年ほ以上経過していますが、環境衛生監視員による理容所、美容所への立入検査回数は大きく変化していないと思われます。

（＊）環境衛生監視員の主な業務
・理美容所の衛生措置についての立入検査、管理者の設置確認、資格者就業の確認
・火葬場の管理についての立入検査
・興行場の衛生措置についての立入検査
・旅館（ホテルを含む。）施設の構造設備の検査
・公衆浴場の衛生措置、構造設備の検査
・化製場又は死亡獣畜取扱場の構造設備、衛生措置の検査
・クリーニング所又は業務用の車両の衛生措置、クリーニング師の設置確認、苦情対応の確認
・特定建築物の維持管理の状況の検査

＜資料＞
保健所には、食品衛生監視員も在籍しています
主な業務は
・管内で製造、流通する食品の収去検査
・食品関係事業者の営業の許認可・衛生監視及び指導
・食中毒発生時の調査及び違反業者に対する行政処分
・食品衛生法や各自治体の条例に関する調査及び違反に対する 行政処分
・事業者や住民に対する食品衛生に関する情報提供及び教育・ 知識の普及
・食品に関する苦情対応及び調査
このほか、輸入食品の検査を行う検疫所所属の食品衛生監視員

根拠法は、食品衛生監視員は食品衛生法（昭和22年）、環境衛生監視員は環境衛生局長通知（昭和42年）「環境衛生監視員の任命について」。

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