理容業美容業の業況 大幅に改善
Posted on | 8月 6, 2023 | No Comments
日本政策金融公庫「景気動向調査」(2023年4-6月期)
理容業美容業の業況が大幅に改善した。日本政策金融公庫が2023年8月4日発表した「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」(2023年4-6月期)によると、理容業の業況DIは-2.6(前期比+34.2)、美容業は-0.7(同+33.1)と両業とも30ポイントを超えて改善した。コロナが5類になったのが、業況の改善に反映された。
4-6期は上振れる傾向にあるが、前年同期比でも理容業14.7,美容業14.6ポイント改善した。
「良い」から「悪い」を引いたDI値による。他の生活衛生業の多くがプラス域になり全体では+20.9になったのに比べると、理美容業はまだマイナス域にとどまっており、出遅れ感があるのは否めない。
来期見通しは理容業+2.4、美容業+3.0で、来期はプラス域を見込んでいる。ただし通例だと7-9期は下j触れることが多い。
今期は、売上、採算、利用客数、客単価とも改善した。とくに客単価は理容業美容業ともプラスに転じた。
また「経営上の問題点」は、「顧客数の減少」「客単価の低下」は改善したが、電気代や原材料費の値上がりを受け「原価を価格に転嫁できない」が急増した。業況改善にともない「従業員の確保難」も増えた。
業況判断/理容業
今期
<好転>新規客が少しずつ増えている。また、コロナ禍ではカットのみが多かったが、総合調髪の注文が増え、客単価が上昇している。(京都府)
<不変>客数は増えたが、仕入価格や光熱費の高騰により、採算面は変わらない。(青森県)
来期
<好転>コロナが5類に移行し、コロナ禍以前の日常を取り戻しつつある。これから暑い季節になるので、来客数が増えることを期待している。(岐阜県)
<悪化>電気料金の値上げが続くので、営業経費が利益を圧迫し、厳しい状況になるだろう。(三重県)
業況判断/美容業
今期
<好転>地元客の戻りに加え、外国人を含む観光客の来店も増えている。(沖縄県)
<不変>コロナで減少していた客足が徐々に回復してきているが、カット中心で客単価は伸びない状態が続いている。(静岡県)
来期
<好転>イベント等の開催が増え、着付けやヘアセットの注文が増えてきた。今後も結婚式の着付け等、需要が高まっていく見通し。(高知県)
<不変>コロナが落ち着き、客足は戻りつつあるが、光熱費等の諸経費が高騰しており、本格的な回復とはならないだろう。(鳥取県)
今期の経営取組み事例
理容業
・HPでこまめにお知らせを更新している。また、二次元コード決済を導入した。(岐阜県)
・SNSにカットモデルの写真・動画を掲載することで、若い世代を呼び込んでいる。(広島県)
美容業
・メイン顧客がシニア層のため、ハガキや電話でコミュニケーションを取るようにしている。(奈良県)
・コロナ禍以降、来店されていないお客さまにDMを送付し、サービスメニューを提供した。(長崎県)
【調査概要】
調査時期;2023年6月中旬
調査方法:郵送調査
回答企業:理容419企業、美容461企業
タグ: DI調査, 日本政策金融公庫, 景気動向調査