1月7日は「七草爪」の日
Posted on | 1月 7, 2023 | No Comments
1月7日は「七草爪」の日です。「爪の日」「爪切りの日」ともいいます。よくある記念日とは違い、古来から伝わる暦上の風習です。
1月7日は七草粥を食べる風習があり、七草をゆでた汁に爪を浸して爪を切ることから、この日を「七草爪」といいます。新年を迎えて初めて爪を切る日です。
七草粥の風習は、平安時代に大陸から伝わった、といいます。1月7日は五節句の一つ「人日の節句」で、この日に七草粥を食べて無病息災を願いました。
「人日の節句」と爪切りがどう結びついたかは定かではありませんが、1月1日から6日までは畜獣の占いを行う日とされ、占いに爪切りが禁忌だったのかもしれません。1月7日の「人日の節句」は人を占う日でもありました。
七草爪については、江戸時代後期の風俗や風習を紹介した『守貞謾稿』(巻之二十六、春時)に、
「薺(なずな)をわずかに加え煮て、余る薺(なずな)を茶碗に 納(い)れ、水にひたして、男女これに指をひたし爪をきるを、七草爪と云う。」とあります。
この日を爪の切り初め、と紹介しています。さらに、「京坂には、この行をきかず。」とあるので、七草爪は江戸の風習だったのがわかります。
七草粥はいまでも広く行われていますが、七草爪に関してはこの日に風呂に入って爪を切る地方があるくらいで限定的です。
ちなみに日本ネイリスト協会は11月11日をネイルの日に定めています。英語の「NAIL」の象形に由来するそうですが、この日は「ポッキーの日」、「独身の日」、最近では「チンアナゴの日」など強敵と競合し、どうも影が薄い。いっそ、由緒ある1月7日に乗り換えたら?
*浮世絵は二代目歌川豊国『春遊娘七草』(弘化元年・1844、国立歴史民俗博物館)
七草をテーマにした浮世絵で、娘が爪を切っています。手前の桶は七草粥の汁と思われます。
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