外国人理美容師の就労 特区でなく全国で
Posted on | 7月 17, 2020 | No Comments
日本で美容師免許を取得した外国人理美容師が東京特区での就労が可能になるよう、国家戦略特区諮問会議は年内を目処に検討をすすめていることろだが、東京特区に限らず全国での就労を可能にすることを求める動きがでてきた。全理連が2020年7月16日開いた臨時理事会で、東京都限定の特区申請に反対するとともに、全国一斉にすすめることを要望することを決めた。
「国家戦略特別区会議への東京都組合からの提案について」を審議し、決めたもの。
同提案では、①東京都のみの特区申請に反対するする一方、②都が申請している内容を踏まえ全国一斉にすすめることを求めている。
東京特区での外国人理美容師就労については、都美容組合を中心に都理容組合も共同して申請していたが、その後全理連の意向を受けて、理容組合は申請を取り下げた。
このまま国家戦略特区諮問会議で推移すると、外国人美容師就労が先行してしまう恐れがあることと、深刻な後継者問題を抱えている理容業界として何らかの対応策を取る必要があることも、今回の決定の背景にある。
しかし、特区で東京都が外国人理美容師の就労を認めるのと、それを全国一斉で行うのとでは法的な「土俵」が違う。東京都だけなら特区法の範囲で実施できるが、全国一斉となると関係法の改正がともなう。
このため全理連は全美連や理容美容教育センターなど関係する団体と調整し、揃って要望することが求められる。大森利夫全理連理事長は、都理容組合の提案をもとに要望書にまとめ、加藤勝信厚生労働大臣や関係する有力与党議員に対し提出する、と理事会で説明した。
国家戦略特区は、そもそも地域を限定して実施し、その成果を踏まえ全国規模に展開するか否かを判断する目的もある。現在進行している国家戦略特別区会議での検討を潰して、ここにきて別の全国一斉という「土俵」での実現を目指すのは、唐突な感がするのは否めない。
特区問題は別にしても、全理連がこれまで一貫して反対していた「外国人理美容師の就労」だが、これを認める方針に大転換したのは特記に値する。
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タグ: 外国人理美容師, 外国人理美容師就労, 規制緩和