休業要請されなかった理美容店
Posted on | 4月 26, 2020 | No Comments
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、2020年4月7日発出された緊急事態宣言で、理美容店を休業要請施設にするとした東京都と、休業要請しないとした国とで扱いが食い違い、ちょっとした物議になったが、結局は国の意向通り休業要請されない施設となった。
緊急事態宣言では感染の危険性があり「不要不急」なものやサービスについての自粛が求められたのだが、理美容店はじめネイルやエステティックなどのいわゆる美容系サービスは施術者と客が密に接するサービスで、三密の一つに該当する。美容系サービスは職種を問わず感染の恐れがある。
ところが理美容店以外の美容系サロンが休業要請されたのに対し、理美容店がされなかったのは、「不要不急」の判断からと思われる。美容系サロンのサービスはいづれも「不急」の部類に入る。これに対し、「不要」の解釈で、理美容店は「必要」と判断されたのだろが、その背景には消費者の利用率がありそうだ。
理美容店を年1回以上利用する日本人(男女計)は85%いるが他の美容系サービスは1割に満たない(*)。この利用率の差が「不要」「必要」の判断材料になり、理美容店は「必要」施設として休業要請されなかったのだろ。
しかし、無症状の感染者がいては理美容店がいくら感染防止につとめても感染する恐れはあり、当初から店内感染が懸念されていた。案の定、福岡県の美容室で集団感染と思われる感染が発生してしまった。この程度の感染は想定内としていたのだろか?
緊急事態宣言発令後も多くの店が営業を続けているが、開店休業に近い店は少なくない。「いっそ休業要請されて協力金とやらをもらったほうがよかった」と、経営者の嘆きが聞こえてくる。
(*)理美容店の利用率は『サロンユーザー調査2020』(NBBA)、他の利用率は『美容センサス2019上期』(ホットペッパービューティーアカデミー)による
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