体毛が薄くなったから「家族」
Posted on | 12月 14, 2019 | No Comments
ヒトが他の動物と違うのは二足歩行すること、といわれてます。二足歩行することで脳が発達し、手が自由になり道具を使えるようになったからです。
もちろん、その通りですが、もうひとつ身体全体を被っていた毛が薄くなったことも、その後のヒトの進化に大きな役割を果たしました。
ヒトは裸の猿といわれるように、全身を被う長くて太い毛はありません。被毛にかわって細く短い毛で被われていますが、動物の被毛の役割はしていません。被毛の役割は体を外部の刺激から守ることですが、そのほかにも体を寒さから守るという役割もあります。
ヒトは被毛を失う一方、エポクリン線から汗を排出して体温を下げる術を得ました。これは脳が熱に弱いからといわれています。体温を下げる機能を得たことで、長時間の運動にも耐えるようになり、獲物を狩るときには有利になりました。
しかし、また被毛を失ったことで、寒さに耐える工夫をする必要に迫れました。この話は後日別稿で紹介しますが、それとは別に、被毛を失ったことでもうひとつ猿のときにはできたことができなくなりました。それは生まれた赤子とのかかわりです。
母猿の被毛は長く密集しているので、生まれた子供はすぐに母親の被毛にしがみつくことができます。母猿は子を連れて餌をとることが可能です。しかし、ヒトの場合は赤子を抱えなければ移動して食料を確保することができません。手で赤子を抱えては満足に食料にありつけません。
そこで、ヒトのオスは妻と子の分の食料を確保する必要に迫られ、懸命に野山を駆け巡って食料を得たのだと思います。そうやって自分の子孫を残しました。つまり一夫一婦の家族はヒトが被毛を失ったから誕生したともいえます。
家族の創生については諸説ありますが、体毛の観点からのお話しでした。
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