自家処理から生まれる新たな需要
Posted on | 12月 21, 2018 | No Comments
前回、自家処理が理美容業界へ及ぼす「負」の影響について書きましたが、消費者の自宅処理から生まれる新たな需要もあります。まさに逆移転の発想ともいうべきものですが、それは業界の歴史が物語っています。
美容業は、ひとむかし前はパーマ屋さんと呼ばれて、パーマネントが主力のメニューでした。いまでも重要なメニューの一つです。このパーマネントは、もともとは明治の後期、一般に流行ったマルセルアイロンが端緒です。
当時の全国紙には家庭婦人向けのマルセルアイロンの広告が大々的に掲載されています。まず一般家庭にマルセルアイロンが普及して、それから当時、美粧院と呼ばれたサロンや女性客相手の理容院で行うようになり、それが電髪へとつながりました。当時、電髪の機器は輸入品しかなく家一軒が買えるくらいの金額だったといいますから、電髪はプロの道具です。
マルセルアイロンによって一般女性にウエーブヘアが受入れられ、そのよさが理解されていたから電髪によるパーマネントが広がったといえます。つまり美容業の重要技術のパーマネントは自家処理から生まれた技術といえます。
大むかしの歴史を簡単に紹介しましたが、平成の次の時代、どのような美容家電や新しいタイプのスタイリング剤が開発されるかわかりません。しかし、理美容のプロとしても、注目しておきたい。
クリーニング業や浴場業は自家処理に押されっぱなしですが、理美容業は流行の美容家電を逆手にとり、素人にはできないプロなではの満足度の高いサービスを提供することが可能です。自家処理から新たなニーズが生まれる、まさにピンチはチャンスです。そんな逆転の発想を大事にしたい。
【最大の競争相手は自家処理】(前回、『理美容ラウンジ』)
http://ribiyo-news.jp/?p=24662
タグ: マルセルアイロン, 理美容ラウンジ, 自家処理