外国人観光客 理容業18%、美容業16%
Posted on | 9月 13, 2018 | No Comments
生活衛生関係営業のインバウンド対応に関する調査
日本政策金融公庫は2018年9月12日、「生活衛生関係営業のインバウンド対応に関する調査」の結果を発表した。ホテル・旅館や飲食ほどではないにしろ、理美容業もインバウンドに積極的に取り組んでいる姿勢がうかがえる。
「外国人観光客の利用の有無」はホテル・旅館は「有り」が8割を超えるが、理容業18%、美容業16%だった。公衆浴場業、飲食業も約半数が「有り」で、どの業種でも外国人観光客の利用は増えている。
国別では中国、韓国、台湾が多く、次いで北米、欧州、香港と続く(複数回答)。
「外国人観光客の集客に向けた取組み」については、ホテル・旅館は7割が取組んでいるが、理容業は23%、美容業は11%にとどまっている。
具体的な取組みは、「WiFiなどインターネット接続環境の整備」「メニューなどの外国語表記」「クレジット決済の導入」が多く、いづれも3割を超え、これらについては効果的だったと評価も高い(いづれも複数回答)。
外国人観光客に対する今後の方針は、「積極的に受け入れていきたい」、「受け入れてもよい」の合計が57%で、過半数が受け入れに前向きな回答をしている。外国人観光客を受け入れる上での課題は、「従業員の語学力の向上」「メニューや施設内の案内等の外国語表記の実施」などの「外国語対応」の割合が高い。
一方、外国人観光客を受け入れたくない理由は、「外国語が分からない・話せない(分かる・話せる人がいない)」、「外国人観光客の受け入れ方が分からない」、「トラブルが増える」の順に高い。
【外国人観光客の集客に向けた取り組み事例(理・美容業)】
理容業
・目で見る案内が一番単純で相手に伝わると考え、サービスをスムーズに提供できるヘアースタイルガイドブックやヘアーカラーガイドブックを活用している。(青森県)
・組合が作成した理容業インバウンド(訪日外国人)マニュアルを活用しながら接客した結果、最低限のコミュニケーションは確保することができるため、外国人という垣根が低くなり、スムーズに対応できるようになった。(宮城県)
・タブレットを使用しコミュニケーションを図っている。(東京都)
・来店した際には片言の英語や筆談、ボディーランゲージ等でのコミュニケーションを行っており、喜んでいただいている。(山梨県)
・店先に英語表記のメニューを貼り出し、受け入れの準備を行っている。(奈良県)
・暑い夏に、インド人観光客に対してトニック・シャンプーを施術したら喜ばれた。また、カット中やシャンプー中に写真(インスタグラム掲載用等)を撮ってあげたりしている。(沖縄県)
美容業
・英会話の習得をはじめ、業務の基本的事項を箇条書きにした対応システムを作った。(北海道)
・受け入れに向けて外国語のSNSやホームページを開設する準備を進める。(秋田県)
・英語標記のパンフレットを見せると安心していただける。(神奈川県)
【調査概要】
調査時点:2018年6月中旬
調査方法:訪問面接調査
調査対象:生活衛生関係営業 3,290企業(理容業420企業、美容業461企業)
有効回答企業数:3,120企業(回答率 94.8%)
タグ: インバウンド, 日本政策金融公庫, 調査