文政元年(1818)から続く理容店の歴史
Posted on | 6月 19, 2018 | No Comments
『西原200年江戸からの旅』
今年、創業200年を迎えた理容店の祝賀会が2018年6月18日、東京・六本木ヒルズのレストランで開かれ、当日参集した出席者らに、7代目店主・西原道雄さんが編纂した小冊子『西原200年江戸からの旅』が贈呈された。
初代から現在の「I.B.KAN」(港区・南麻布)に至るまでの逸話がその時代背景とともに紹介されている。
初代は、伊予松山藩士。麻布の地に「吉床」を開業したのは2代目。文政元年(1818)、いまから200年前のこと。
時は幕末、黒船来航とともに開国を迫られた幕府は安政6年(1859)に「吉床」に近い麻布善福寺に米国公使館を開設したことから、初代米国公使タウンゼント・ハリスの髭を当たるようになった3代目、4代目。その辺の逸話が秀逸。
4代目はハリスにつれられて、万延元年(1860)に横浜の山下居留地に開業した、日本最初のホテル「ヨコハマホテル」の理髪店で理髪師ファーガソンから西洋の理髪技術を勉強させてもらった、という。
日本初の西洋理髪は明治2年(1869)に横浜・山下居留地148番地に開業した小倉虎吉さんといわれているが、4代目はそれよりも数年早く西洋理髪の技術を習得していた可能性がある。
なにはともあれ、200年の歴史がある理容店は珍しい。現代に続く理容店のなかで最古かと思ったら、もっと古い歴史のある理容店がある。
『西原200年江戸からの旅』
西原 道雄著
2018年6月18日発行(非売品)
【参考】もう一つの「西洋理髪事始め」
http://www.kamiyui.net/?p=508
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