松永佳世子教授がヘアカラーアレルギーの特別セミナー
Posted on | 11月 7, 2017 | No Comments
日本ヘアカラー工業会は2017年11月6日、ヘアカラーを安全に施術するための啓蒙活動の一環として、アレルギー疾患の専門医・松永佳世子教授(医師、藤田保健衛生大学医学部)を迎え、特別セミナーとヘアカラーリストらによるトークセッションを開催した。
松永教授は、一般的な接触性皮膚炎(かぶれ)によるアレルギーと刺激性アレルギーの違い、また医療現場におけるヘアカラーアレルギーの現況を説明したあと、理美容師さんにみられる手荒れ、かぶれについて、その特異な状況を示した。
一般の人のアレルギー発症年齢はアレルギー物質との接触を重ね、加齢とともに増加するのに対し、理美容師さんの場合は20代での発症が突出していることをあげ、その理由は手荒れにあるとした。
手荒れによりアレルギーが発症しやすくなり、ヘアカラー剤やパーマ剤に含まれる物質に反応、さらに他の物質にも反応しやすくなり、離職を余儀なくされることもある。
理美容師さんのアレルギーを防ぐには、手荒れの防止が大事で、良質なシャンプー剤の使用、手袋の着用、こまめなハンドクリームの塗布の必要性を訴えた。
特別セミナーを受けて行われたトークセッションでは、松永教授のほか、専門の看護師、日本ヘアカラー協会のヘアカラーリストらで行われ、事前のカウンセリングの重要性や場合によったら、施術を断る勇気も求められるなどと語るとともに、皮膚科医との連携の必要性も認識した。
トークセッションの場で、医療現場でも行われている、ハンドクリームの効果的な塗布の仕方なども実演して見せた。
最後のQ&Aでは、「アレルギーがあっても地肌に用剤をつけなければ大丈夫か?」の質問に対し、「なかには大丈夫な人もいるがこれは例外で、用剤を洗い流すときに触れるので基本NG」などと回答していた。
ヘアカラーによるアレルギーは、理美容師さんにとって顧客への安全性の配慮の面からも自身のアレルギー疾患回避の面からも重要なテーマで、充実したセミナーとなった。
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