出張理美容の対象を拡大する通知
Posted on | 1月 28, 2017 | No Comments
理容師法・美容師法では、出張理美容の対象を「疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない者」としているが、規制改革実施計画(平成27年6月30日閣議決定)を受けて、その対象範囲を拡大した通知。
疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある人や、介護や育児などで来所できない人もその対象にした。
なお、この通知でも出張理美容を行う理美容師は、理美容所に所属していること(平成19年通知)を求めている。
○理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について
(平成28年3月24日)(生食衛発0324第1号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課長通知)
(公印省略)
理容所又は美容所以外の場所で理容又は美容の業務を行うこと(以下「出張理容・出張美容」という。)については、規制改革実施計画(平成27年6月30日閣議決定)において、「現行の「疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない者」の判断基準を明確化し、該当事例も含めて地方公共団体に周知徹底する。」とともに、「「疾病その他の理由により、理容所、美容所に来ることができない者」の対象範囲の拡大について、利用者ニーズ等を踏まえ検討を行い、結論を得た上で所要の措置を講ずる。」とされたところです。
今般、同計画を踏まえ、出張理容・出張美容を行うことができる場合として、理容師法施行令(昭和28年政令第232号)第4条第1号及び美容師法施行令(昭和32年政令第277号)第4条第1号に規定する「疾病その他の理由により、理容所(美容所)に来ることができない者」に該当すると考えられる者について、下記のとおり整理しましたので、下記内容を十分御了知の上、適切な運用を図っていただくとともに、貴管下事業者等に対する周知及び指導等に遺漏なきようお願いいたします。
記
1 理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号には次のような者が該当すると考えられること。
(1) 疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの
(2) 自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの
なお、理容師法施行令第4条第3号及び美容師法施行令第4条第3号においては、出張理容・出張美容を行うことができる場合として、「都道府県等が条例で定める場合」を規定しており、当該規定に基づき、地域の実情等に応じて、上記以外の場合を対象にすることを妨げるものではないが、理容又は美容の業を行う場合、理容師法(昭和22年法律第234号)第6条の2及び美容師法(昭和32年法律第163号)第7条に基づき、原則として理容所又は美容所で行わなければならないとされている趣旨を十分に踏まえること。
2 出張理容・出張美容の実施に当たっては、以下の点に留意すること。
(1) 出張理容・出張美容の実施に当たっては、出張理容・出張美容の衛生を確保するため、「出張理容・出張美容に関する衛生管理要領」(平成19年10月4日付け健発第1004002号厚生労働省健康局長通知の別添)を衛生管理の指導に当たっての指針として活用し、必要に応じて条例又は要綱等を制定するなどにより、引き続き、その適切な運用に努めること。
(2) 出張理容・出張美容の対象とならない者に対して、出張理容・出張美容を行うことは、理容師法又は美容師法違反となるものであり、そのような行為が行われることのないよう、出張理容・出張美容の実施状況等について把握に努め、仮に法律違反の行為を把握した場合には、厳正に対処すること。
(3) 1(2)に示した者に対し、出張理容・出張美容を行う場合にあっては、施術を受ける者の監護下にある者に事故等が生じないよう留意すること。
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